連載
詳細データから消費トレンドを読むアパレルのシステム:味わい深いシステムを開発するための業界知識(6)(3/3 ページ)
ITエンジニアの日々の業務は、一見業界によって特異性がないようだ。だが、実際は顧客先の業界のITデマンドや動向などが、システム開発のヒントとなることもある。本連載では、各業界で活躍するITコンサルタントが、毎回リレー形式で「システム開発をするうえで知っておいて損はない業務知識」を解説する。ITエンジニアは、ITをとおして各業界を盛り上げている一員だ。これから新たな顧客先の業界で業務を遂行するITエンジニアの皆さんに、システム開発と業界知識との関連について理解していただきたい。
小売業のITエンジニアはディテールとの戦い
小売業の特徴を表す言葉として、「Retail is Detail」という言葉があります。小売業は数十円、数百円といった細かい売り上げの蓄積であり、これを達成するための日々の細かい仕事の積み重ねで成り立っている、という考え方です。
小売業のITエンジニアもディテールとの戦いです。それは詳細データのデータ量の問題であったり、詳細な情報を取り扱う際のユーザビリティの問題だったりするかもしれません。
全体感を持ちながらも、業務やデータのディテールまで想像力を働かせ、本当に必要なシステムを見極めていくこと。こうしたことがITエンジニアにも期待されているのではないでしょうか。
次回は「電気・ガス」をテーマに説明する予定です。
筆者プロフィール
萩原光洋(はぎわらみつひろ)
システムインテグレーション&テクノロジー本部 製造業グループ シニアマネジャー。慶應義塾大学大学院理工学研究科を卒業後、アクセンチュアに入社。主に小売業の業務改革、システム構築に携わり現在に至る。
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