日本オラクル、2014年度は業界特化・営業体制の強化を目指す:企業動向
日本オラクルが2014年度の事業戦略説明会を開催。業種・業界別の営業体制強化やクラウド事業の強化などを掲げた。
日本オラクルは2013年7月1日、新年度の経営方針の説明会を開催した。日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者である遠藤隆雄氏によると、「売上高推移では3年連続の増収。成長要因として、SaaSビジネスの拡大、エンジニアドシステム関連ビジネスの拡大、新規ハードウェア投入が挙げられる」としている。
SaaSビジネスとしては、Oracle Fusion CRMの展開が、エンジニアド・システムおよび新規ハードウェア投入ではOracle ExaDataやOracle Exalyticsなどの製品、旧サン・マイクロシステムズやストレージテックに由来するハードウェア製品の展開などが挙げられる(関連記事1、2、3、4、5)。
グローバルで見るとオラクルは、過去8年で、サン・マイクロシステムズや、Siebel、nimbulaなど、実に92社の買収を実施してきた。これらの買収の成果として、「各インダストリーごとにほとんど全ての業務を網羅」できる体制を構築している。
2014年度は、製品別・業種別の営業担当を増員、Oracle Directも強化するなど、日本オラクル自身による顧客サポートの強化が掲げられている。具体的には、製品選定の意思決定権限が、情報システム部門から業務部門に移りつつある状況を反映し、業種・業界に特化した製品の展開や、社内での業種・業界スペシャリストの強化を行っていくとしている。
2013年度には、xsigoやnimbulaといった、クラウド環境向けソリューション展開に強い企業の買収が目立っている同社だが、日本オラクルの2014年度の基本方針の中でも「クラウドビジネスの本格展開」が挙げられている。クラウド関連では、2013年6月にセールスフォース・ドットコムでのクラウド基盤への採用や(関連記事)、マイクロソフトが提供するクラウド環境であるWindows Azureでのオラクル製品の展開を、米オラクルが発表している(関連記事)。
ただし、「これらはグローバルでの動向であり、日本オラクルとしてのコメントは控える」(遠藤氏)としているものの、これら提携企業との販売活動での協業やOracle Cloudとの関係については、「セールスフォース・ドットコムやマイクロソフトが独自に展開するもので、当社としてはパートナー企業の要求次第と考えている。顧客の選択肢を広げ、クラウドでの展開方法も多様化できることから、こうした業務提携は当社にとってチャンスとなると考えている」(同氏)と語った。
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