新卒で子会社立ち上げを任されたエンジニアが明かす、就活の極意とは:まだ君は間に合う! 現役エンジニアに聞く、学生のときにやっておくべきこと(1)(2/2 ページ)
本連載では、IT企業の最前線で活躍するトップエンジニアに、学生時代に行った就職活動の内容や、これから就職活動を行う学生へのアドバイスを聞いていきます。今回は、学生時代に開発したアプリケーションが内定先のサイバーエージェントの藤田社長に認められ、子会社シロクの事業立ち上げを任された片岡直之氏に、就活生に向けたメッセージを伺いました。
収益性の高いビジネスの実現を目指して――B to Cだけではない
編集部 最終的にサイバーエージェントを選んだ決め手は何でしたか?
片岡氏 単にモノづくりとしてのプログラミングだけではなく、実際に収益を伴うビジネスをやってみたいという気持ちが昔からあり、それを実現できる会社としてサイバーエージェントを選びました。
サイバーエージェントは当時から多くの子会社を持ち、担当者に大きな裁量を与えていましたし、いくつもの小さなチームに多くのサービスを任せていることも分かっていました。実際に、シロクの立ち上げと経営を任され、入社してすぐに希望をかなえることができました。もし、プログラミングを極めることだけを目標としていたのであれば、他の会社でもよかったかもしれません。
編集部 エンジニアリングと経営のどちらを面白いと感じていますか。
片岡氏 もちろん両方とも面白いのですが、最近では、経営の方が面白くなりつつあると感じています。それは、経営の方がよりレバレッジが効いてエキサイティングだからです。プログラミングの世界ではよく、一人の優秀なエンジニアが百人分の成果を出すという比喩を使いますが、経営の場合は、それこそ一人の経営者で千人分の成果を出すことも可能です。
編集部 子会社のシロクのビジネスは順調に進んでいますか?
片岡氏 当初は、my365を中心にB to Cのサービスを提供していましたが、何百万人ものコンシューマーを相手にするB to Cのサービスは、当たり外れが激しく、安定して収益を上げることができないことが分かってきました。
そこで、アプリ開発者向けツールを中心としたB to Bサービスを強化する取り組みを進めることにしました。B to Bのサービスは、目の前の顧客を相手にするため、努力次第で安定的に収益を上げることが可能です。今後は、B to CとB to Bの両方のビジネスをバランス良く提供していきたいと考えています。
自分一人でサービスを作って公開してみよう
編集部 就職に向けて学生時代にやっておくべきことは何だとお考えですか?
片岡氏 いつも学生の皆さんに言っているのは、「自分一人でサービスを作ってみて、それを実際に公開し運営してみてほしい」ということです。ここで重要になるのは、作るだけにとどまるのではなく、きちんと公開して運営してみるということです。実際に、利用者と触れ合ってみることによって、ビジネスのセンスを磨くことが可能になります。
編集部 一人でやることも重要な要素になりますか?
片岡氏 仲間を集めて取り組むのも悪くはないのですが、やはり、経験値として、自分自身で全てを把握できるという意味で、一人でやってみることをお勧めします。クラウドを利用できる現在のWebサービスは、一人でも開発して運用することが可能ですので、ぜひ一人でチャレンジしてみていただきたいと思います。
編集部 最後に、就職活動を行っている皆さんへのメッセージをお願いします。
片岡氏 就職活動を振り返ってみると、「自分が知っている比較的規模の大きい会社だけ」というフィルターを掛けて、候補選びをしてしまったという反省があります。今活動するとすれば、数人規模のスタートアップ企業も含めて広く情報を集めて候補を選んでいるはずです。
IT企業には、良いイメージも悪いイメージもあると思いますが、就職活動を行っている皆さんには、イメージだけで判断するのではなく、さまざま方法を駆使して広く情報を集めた上で候補選びを進めていただきたいと思います。
編集部 ありがとうございました。
次回も、トップエンジニアに就活のアドバイスを聞く
本連載では、今後もIT企業の最前線で活躍するトップエンジニアに、学生時代に行った就職活動の内容や、これから就職活動を行う学生へのアドバイスを聞いていくので、楽しみにしていてほしい。
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