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シスコがParStreamの買収を発表:IoTデータ分析基盤を強化
米シスコがベンチャー支援プログラムで育てていたデータ分析系のスタートアップ企業であるParStreamをを買収し、自社技術として取り込む計画を発表した。
米シスコシステムズ(シスコ)のRob Salvagno氏は2015年10月26日(米国時間)、同社の公式ブログ上で、ParStreamを買収する意向を表明した。ParStreamはシスコが支援する「Cisco Entrepreneurs in Residence」に参加するスタートアップ企業の一社。ドイツの企業で、独自のデータベース分析技術を持つ。Salvagno氏によると、買収は2016年の第二四半期までに完了すると完了する見込みだという。
このブログでSalvagno氏は買収の背景も説明している。それによると、「2020年までに500億のIoT(モノのインターネット)端末が生まれる」という将来予測を背景に、「IoT環境で企業がデータから価値を引き出すにはスピードが最重要である」との考えを示している。この考えの下にSalvagno氏は、ParStreamの高度に専門化されたデータベースについて「データが生み出されるネットワークの末端において最小限のインフラと運用コストで大量のデータをほぼリアルタイムで計算および分析できる」点を評価している。
ParStreamの技術は、IoT端末が生成するデータを全て中央サーバーに送るのではなく、端末側に保管し、分散ネットワーク技術と組み合わせて一定の処理が行われた結果のみを返す仕組みになっているという。
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