行動力と技術力の両輪で顧客の利益に貢献する――ITセールス(プリセールス/セールスエンジニア/技術営業/システム営業):ITエンジニア職業図鑑(4)(2/3 ページ)
プログラマー、SE(システムエンジニア)、プロジェクトマネジャー――IT業界のさまざまな職業を紹介する本連載。第4回は「ITセールス」のやりがいや仕事内容を解説する。
ITセールスのやりがい
セールスの目的は、売り上げ目標を達成し、評価されることだけではない。顧客から信頼され、感謝されることも重要な目的であり、やりがいでもある。信頼があれば、さらなる売上向上・信頼獲得につながっていく。「自分の活動を通じて、顧客の利益に貢献する」ことを体感できるようになれば、大きなやりがいを感じられるだろう。
また、ITセールスは社内外の多くの人との関わりを持つ仕事でもある。そのため、人的交流の豊かさや、自分の知識や経験を深められるという点も、仕事の大きな魅力である。
ITセールスに必要なスキルは?
ITセールスに求められるスキルは大きく分けて三つ。顧客の課題を引き出し、まとめ、解決策を提案する「提案力」、人・モノ・カネを調整し、最適な提案内容を組み立てる「コーディネート力」、提案内容の技術的な裏付けを取る「技術力」だ。
ただし、全てを一人で行うわけではなく、複数人でチームを組み、大勢の人の協力によって提案することも多い。自分の専門性だけでなく、関わる人の能力を最大限に引き出すことも重要なスキルである。
なお、近年は日本国内のみならず海外におよぶグローバル案件を手掛けたり、海外のIT関連企業と協業したりする場合が増えているため、従来に比べ「語学力」が求められることも覚えておきたい。
ITセールスに向いているのはどんな人?
まずは、ITそのものに「関心」や「疑問」を持っている人だ。「営業だから、IT技術の動向やシステム作りに詳しくなくてもよい」とはならないからである。
また、ITセールスに限らず、営業は「誠意」と「熱意」のある「行動力」や「コミュニケーション力」が重要だ。「前向き」で「好奇心」や「チャレンジ精神」が旺盛な人や、相手との「対話」を好む人は、ITセールスに向いていると言えるだろう。
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