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データベースから「データ」に目を向け始めたIBMDatabase Watch(2016年6月版)(2/2 ページ)

「IBM DB2」最新版のリリースと前後し、最近、IBMの主眼がデータベース製品から「データそのもの」に軸足を移してきている。今回はこの重要な“変化”に目を向けて、その動きや狙いを確認する。

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IBM Garageを通じてブロックチェーン技術の具現化へ

 IBMのデータ活用に関する話題をもう1つ。2016年、IBMはブロックチェーン技術を企業で利用するために必要となるコードをコミュニティーに提供するなど、ブロックチェーン技術への貢献に力を入れています。余談ですが、IBMはブロックチェーン担当バイスプレジデントというポストを作ったことからも、ブロックチェーンへの意気込みを感じます。ブロックチェーン担当バイスプレジデントに着任したのは、ジェリー・クオモ(Jerry Cuomo)氏で、IBMからマイクロソフトに移籍したドナルド・ファーガソン氏と並んで「WebSphereの父」とも呼ばれた人物です。

photo 日本IBM 執行役員 インダストリー・ソリューション事業担当の鶴田規久氏

 IBMは2016年5月25日、ブロックチェーンに関した取り組みについて重要な発表を行いました。発表内容はIBMはモバイルや分析など先進的な技術を駆使したアプリケーションの短期開発を支援する「IBM Garage」を東京にも開設したというものです。アメリカやカナダなどに続き、新たに東京がサービス拠点に加わりました。

 IBM Garageは、IBMが自らの製品開発で培ってきた「IBM Design Thinking」と呼ぶデザイン手法などを用いて、先進的なアイデアを形にしていくとしている機関です。日本IBM 執行役員 インダストリー・ソリューション事業担当の鶴田規久氏は「当然、アイデアだけに終わらせない(事業化を目指す)」と話していました。作業過程ではIBMのPaaS(Platform as a Service)「IBM Bluemix」上でアプリケーション(プロトタイプ)を開発し、途中でワークショップの開催や検証なども行いつつ、契約内容によりますが、最終的には本番環境へデプロイするところまでを目指すとしています。

 開発するアプリケーションとして強く想定されているのが、ブロックチェーン技術を活用したものです。IBM Garageでは、Linux Foundationが提唱する「ハイパレジャー」と「オープンブロックチェーン」を利用できるようにして、ブロックチェーン技術を用いたアプリケーション開発ができる環境を整えています。ブロックチェーン技術を1日も早く形にして世に送り出したいのでしょう。

 そして同年6月22日、日本IBMはみずほフィナンシャルグループと共同でブロックチェーン活用に向けた技術検証を開始すると発表しました。前述したIBM Garageを通じて検証を行っていくとしています。このように2016年は、ブロックチェーン技術に関する動きがめざましいです。これの動きはどこまで進むか、どのように具体的になるか、今後もウォッチしていきます。

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