「無停止DBアップグレードツール」として浸透したOracle GoldenGate:Oracleユーザーにとって“当たり前”のデータ連携技術とは? 【前編】(2/3 ページ)
企業システムのさまざまな領域で「リアルタイムなデータ連携」の必要性が高まっている今日、それを実現する「Oracle GoldenGate」の活用が各分野で進んでいる。国内外の主な導入事例と、同製品を強く支持する国内パートナー企業から寄せられた声を2回にわたって紹介する。[ビッグデータ][高可用性/災害対策][Data Integration]
従来技術の課題を解消し、Oracle Databaseユーザーにとって“当たり前”のデータ連携技術に
このように、Oracle Databaseのアップグレードを強力に支援するソリューションとして大手ユーザー企業を中心に活用が進むOracle GoldenGateについて、「Oracle Databaseの利用価値を高めるうえで、もはや“当たり前のように使われるテクノロジー”になりつつあります」と谷川氏は話す。
そもそも、Oracle GoldenGateはデータベースのリアルタイムレプリケーションを行うために登場した技術だが、データベースレプリケーションという適用領域は特に目新しいものではなく、従来からさまざまな技術が使われてきた。Oracle Databaseで古くから使われてきたレプリケーション技術としては、「基本レプリケーション」や「アドバンスドレプリケーション」が挙げられる。
「基本レプリケーションでは、リモートサイト上のレプリカをマテリアライズドビューによってオリジナルの代替として動作させます。マテリアライズドビューは、もともと繰り返し実行される集計処理などにおけるデータベースアクセスのパフォーマンスを高める目的でデータウェアハウス向けに作られた機能ですが、それを応用しているわけです。ただし、マテリアライズドビューを使うと頻繁にリフレッシュが掛かるため、いずれにしても大きな負荷が掛かるという問題があります」(谷川氏)
また、アドバンスドレプリケーションでは、各サイトに同一のレプリカを持たせ、主従の関係なしに動作させるが、この機能を使った場合はデータ更新による遅延やデータの不整合が起きる可能性がある。同機能はOracle Database 12cでもサポートされているが、現在は機能のアップデートは行われていない。
さらに、Oracle Streamsを使ったレプリケーション方法もある。これはREDOログを用いてマスターサイトの更新内容をレプリカに反映するというものだが、表のグルーピングができなかったり、設定や使い方が複雑だったりという問題がある。
Voice of Partner:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
Oracle GoldenGateは、データベースの移行やレプリケーション、災害対策など、お客さまが抱えるさまざまな課題を解決することのできるソリューションです。OSやOracle Databaseのエディション/バージョンが異なっていても利用できる柔軟性を備え、システムへの負荷は軽微なため、既存環境のスペックが低い場合でもサービス提供への影響を最小限に抑えて高速なデータ転送を行うことができます。
当社では、Oracle GoldenGateの保守サービスの他、同製品を用いた各種のサービスを展開しています。単純なレプリケーションから3局舎間のレプリケーションまで多くの導入実績を有し、他社データベースからOracle Databaseへの移行ノウハウも蓄積しています。2013年度には「Data Integration」分野においてOracle Awardも受賞いたしました。
今後は既存の活用領域に加えて、クラウド環境も含めたデータ連携におけるOracle GoldenGateのさらなる活用の広がりに期待しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「過去に経験のない」規模の基幹業務DBアップグレード、住友重機械工業の選択
住友重機械工業は先ごろ、生産管理システムなどで利用する約30のOracle Databaseを11g R2にアップグレード。オラクルの支援ツール群を活用した標準化アプローチにより、検証コストの大幅削減と作業効率化を実現した。[運用管理効率化][Oracle Enterprise Manager][Data Integration] - JR東日本が輸送総合システムのリプレースを実施──Oracle GoldenGateで“業務停止なし”のデータベース移行を実現
列車ダイヤの作成を支援するJR東日本の「輸送総合システム」。そのリプレースに伴う大規模なデータベースアップグレードで、業務への影響を最小限に抑えた移行を可能にしたのは「Oracle GoldenGate」であった。[プライベートクラウド/データベース統合][Data Integration] - エディオンが「約1200店舗の業務をリアルタイムに支える統合データベース基盤」にOracle Exadataを選んだ理由
「本当に垂直統合型でよいのか?」──大手家電量販店のエディオンは熟慮の末、全国約1200店舗の業務を支える統合データベース基盤を「Oracle Exadata」で刷新。圧倒的なパフォーマンス向上に加えて、大幅なコスト削減という果実を得た。[プライベートクラウド/データベース統合][Engineered System][Data Integration][Database Security] - わずか1分で移行! 佐世保中央病院がOracle GoldenGateで電子カルテの基幹DBをスピード移行。データ暗号化、先進監査機構でセキュリティも強化
長崎県佐世保市の地域医療を支える佐世保中央病院は、周辺医療機関と共有する電子カルテデータベースのアップグレードでOracle GoldenGateを活用。わずか1分で移行を完了させた他、最新の暗号化/監査技術により情報セキュリティを強化した。[セキュリティ対策][高可用性/災害対策][Database Security][Data Integration]
提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年8月4日