「無停止DBアップグレードツール」として浸透したOracle GoldenGate:Oracleユーザーにとって“当たり前”のデータ連携技術とは? 【前編】(1/3 ページ)
企業システムのさまざまな領域で「リアルタイムなデータ連携」の必要性が高まっている今日、それを実現する「Oracle GoldenGate」の活用が各分野で進んでいる。国内外の主な導入事例と、同製品を強く支持する国内パートナー企業から寄せられた声を2回にわたって紹介する。[ビッグデータ][高可用性/災害対策][Data Integration]
Oracle Databaseの高速かつ柔軟なデータ連携を可能にし、アップグレードの定番ツールとして普及
ハードウェア更改やOracle Databaseのアップグレードに伴うデータベース移行を、システムや業務の停止時間を最短に抑えて確実に行いたいという企業から高い支持を得ているデータベース連携ツールが「Oracle GoldenGate」だ。
2009年に企業買収によってオラクル製品となったOracle GoldenGateは、年を追うごとに国内外の企業で導入が拡大し、ビッグデータやリアルタイムデータ活用の機運が高まる今日、そのペースはさらに加速しようとしている。オラクルの国内パートナー企業においても実案件における活用が進み、各社のサービス提供を支える現場のエンジニアからも高い支持を得ている。その理由は何か? 同製品の活用は今後、どのように発展していくのか? 本企画では、日本オラクルでOracle GoldenGateを担当する谷川信朗氏(クラウド・テクノロジー事業統括 Cloud/Big Data/DISプロダクト本部 シニアプロダクトラインマネジャー)への取材を通してそれらを明らかにするとともに、パートナー各社のエンジニアから寄せられた期待の声を紹介する。
Voice of Partner:新日鉄住金ソリューションズ株式会社
当社におけるOracle GoldenGate導入案件では、多くのプロジェクトが移行目的で利用しています。他の製品では決して満たせない、厳しい移行要件の数々をOracle GoldenGateを用いて実現してきました。そうした要件には、例えば「Solarisプラットフォーム上のOracle 9i Databaseで動作する基幹システムを、IA Linux上の11gに移行したいが、データベース停止時間は1時間以内に抑えたい」といったものがあります。異なるプラットフォーム間での移行をワンステップで、しかも最短の停止時間で実現可能にしているのは、Oracle GoldenGateが持つ高い柔軟性です。
また、複数データベース間の双方向同期やデータ集約といったシステム連携の用途でも、多数のプロジェクトでOracle GoldenGateを取り扱ってきました。連携するデータのフィルタリングや連携時のテーブル列構成の変更など、“プラスアルファ”のご要望に対してもOracle GoldenGateの機能でお応えし、お客さまにご満足いただいています。
他の製品では満たせない厳しい要件や特殊な要件でお困りの際は、Oracle GoldenGateに関して豊富な実績を有する当社にぜひお声掛けください。
本サイト記事でもこれまで紹介してきたように、Oracle GoldenGateとはデータベースのリアルタイム連携を実現するソリューションだ。同一バージョンおよび異種バージョン、さらには異なるプラットフォーム上で動作するOracle Database間のデータレプリケーションを可能にする他、Oracle DatabaseとSQL Server、DB2、Sybaseなど、異なるデータベース製品とのデータレプリケーションもサポートする。
他のデータ連携ソリューションに対するOracle GoldenGateの大きな特徴は、ソース(同期元)となるOracle DatabaseのREDOログに基づいて同期情報(Trailファイル)を生成し、その内容を同期先データベース(ターゲットデータベース)に伝搬してSQLトランザクションとして反映することで、単なるコピーとは異なる、論理的に正確なレプリケーションを実現する点だ。REDOログの情報を使用するため、ソースデータベースに大きな負荷をかけずにリアルタイムレプリケーションが行える。
こうした特徴を生かし、国内でもさまざまな企業がデータベースアップグレードなどでOracle GoldenGateの活用を進めている。その一例として、本サイト記事『1690万人の列車利用を支える大規模DB基盤のアップグレード:JR東日本が輸送総合システムのリプレースを実施──Oracle GoldenGateで“業務停止なし”のデータベース移行を実現』で紹介したJR東日本の事例が挙げられる。
同社の列車運行を支える「輸送総合システム」のデータベース基盤を大規模に更改したプロジェクトにおいて、作業を担当したJR東日本情報システムは、移行作業を短期間で確実に行う目的からOracle GoldenGateを活用した。Oracle GoldenGateによって事前に新旧データベース間でリアルタイムレプリケーションを行いながら一定期間、並行稼働させることで、業務への影響を最小限に抑えた無停止でのデータベース移行を果たしている。
また、『性能向上は当然、コストも大幅削減:エディオンが「約1200店舗の業務をリアルタイムに支える統合データベース基盤」にOracle Exadataを選んだ理由』で紹介したように、大手家電量販店エディオンは国内約1200店舗の業務をリアルタイムに支える統合データベース基盤を「Oracle Exadata」で刷新するに当たり、Oracle GoldenGateを活用。こちらも事前に新旧データベース間でリアルタイムレプリケーションを行うことで、切り替え当日の作業を最小限に抑えたスムーズなデータベース移行を実現している。
Voice of Partner:NECソリューションイノベータ株式会社
Oracle GoldenGateは、従来のエクスポート/インポートやマテリアライズドビューを用いたデータ連携に代わる、高いポテンシャルを秘めたソリューションだと実感しています。データベース移行の目的で活用されるケースが多くありますが、その他にもさまざまな用途で利用できます。
また、実際の案件では、Oracle GoldenGateを使ってデータを移行した後、そのライセンスに含まれる「Active Data Guard」を使って災害対策構成を組むことで、スタンバイ側を有効活用しているお客さまもいらっしゃいます(Oracle GoldenGateのライセンスで2つの製品を使えるため、お得な“お勧め構成”です)。
当社では(2016年7月)現在、「高品質で安全」を強みとしたオラクル製品の技術支援サービスと、「スピーディかつ的確」な24時間365日のサポートサービス(NEC Oracle Response Center)を提供しています。私のチームでは製品をご活用いただくための技術支援サービスを行っており、導入いただいた多くのお客さまから感謝のお声をいただいております。Oracle GoldenGateの技術を用いてお客さまのビジネス拡大に貢献いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年8月4日