島根編:どこでも働けるということ――Iターンエンジニアが実践する屋外開発と開発合宿:ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(10)(1/4 ページ)
ITエンジニアはPCと電源があれば、どこでも働けるよね?――U&Iターンの理想と現実「島根編」の第1回は、お城で、お寺で、民宿で、ネットワークとクラウドツールを駆使して働くIターンエンジニアのリモートワーク事情を紹介します。
「@IT式 U&Iターンスタイル」は、全国各地のU&Iターンエンジニアたちが、地方での生活の実情や所感などをセキララに伝えていく。ご当地ライターたちのリアルな情報は、U&Iターンに興味のある方々の役に立つだろう。
はじめまして! 「モンスター・ラボ」島根開発拠点のハスミです。
私は2014年7月に島根県松江市へIターンしたエンジニアです。今回から3回に分けて、極めて個人的なIターンの理想と現実の体験をお話しします。個人的な体験こそ、U&Iターンに興味がある多くのエンジニアにとって参考になるだろうと考えています。
自己紹介
あらためまして、羽角均(ハスミヒトシ)と申します。社内では若手エンジニアにも「ハスミン」と呼ばれています。大学で建築を学び、建設専門新聞、いわゆる業界紙を作る会社に就職しました。ここで新聞記事データベースとWebサイトメンテナンスに業務時間の半分を費やし、残り半分で建築関連書籍の編集業務に携わっていました。たまに新聞記事を書きました。
社内のデータベースメンテナンスアプリケーションがあまりにも使いづらく、「こんなものオレが作り直してやる」と大風呂敷を広げたのが、エンジニアとしての小さな1歩でした。
当時、ボーランドの「Delphi5」というWindowsアプリ統合開発環境が6万円ぐらいだったと記憶しています。「これを買ってください」という稟議書を書き、ブログラミング言語「Object Pascal」というおもちゃを手に入れました。通常業務の傍ら、1カ月くらいで社内のデータベースを作り直し、CRUDやバッチ処理を統合した業務アプリケーションを作りました。
他にも記事データベースをWebで閲覧できる有料システムなども作りました。2000年代の最初の数年間にPHPやMySQL(バージョンはともに3.xか4.xでした)のオープンソースミドルウェアを業務・商用システムに導入できたのは、その後の私の人生にとって幸運でした(この活動が会社から評価されていたかどうかは、よく分かりません)。
10年ほど上記の会社に勤め、「よっしゃ、エンジニアとして生きていこう」と思い立って、開発企業に転職しました。それまではエンジニアのまねごとをしていただけで、本格的なキャリアはここからスタートしたのです。
そして松江へ
島根県の県庁所在地であり、全国に5つしかない国宝天守のうちの1つを頂く城下町、松江市。ニッポンの白地図を前にして、松江市の場所を正確に指せる人は極めて少ないでしょう。さあすぐに地図を検索してください。「検索してください」と言われる前に既に検索していた人には、エンジニアの素養があります。さらに精進してください。
2014年当時東京に住んでいた私は、フリーランスのサーバサイドエンジニアとしてモンスター・ラボを手伝うようになっていました。そこで「どうやらモンラボが島根県にオフィスを作るらしい」というウワサを聞き、ビビッときました。
松江についての私の知識は以下のような程度でした。
Rubyの生まれ故郷(?)である。城下町である。まあまあ近くに出雲大社がある。海産物がおいしそう。酒もありそう。
千葉県生まれの私にとって、島根県はほとんど海外です。普通に人生を過ごしていたらあまりにも縁がありません。そんなところに暮らしてRails中心のエンジニアリング生活を送れるとは何て素晴らしいんだと考え、後に島根開発拠点の代表になる同僚の山口に「おいらも松江に行きたいです!」といったところ、「おお、いいんじゃね」と返事をもらい、2014年7月に開設されたばかりの島根開発拠点にやってきました。
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