オープンソースデータベース「Ingres」の法人向け日本語版登場へ 2017年初夏にリリース:SQL Server/PostgreSQLなどの源流、エージーテックが日本語版を開発
エージーテックは、米Actianのデータベース管理システム「Ingres」の日本語版を販売する。Actianと共同開発し、2017年初夏の提供を予定する。
エージーテックは2016年12月14日、米Actianと結んでいる提携関係を拡張し、新たにオープンソースデータベース管理システム「Ingres(イングレス)」の法人向け日本語版を販売すると発表した。
Ingresは、1973年に米カリフォルニア大学バークレー校で開発が始まったRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)。その後登場した「Microsoft SQL Server」や「Sybase」はIngresの技術から派生した製品であり、「PostgreSQL」もその基になったとされる。オープンソースの柔軟性とエンタープライズ級の可用性と信頼性を両立するとし、データベースフェデレーション(認証済みのコラボレーション)や、P2P(ピアツーピア)、レプリケーション、地理空間データ型と関数、クラスタリング、C2 RDBMS認証(米政府のセキュリティ評価基準)、ユーザー定義のデータ型などの機能を備える。TCO(総所有コスト)をオープンソースRDBMSと同様に抑えながら、商用RDBMS/エンタープライズクラスの機能性を実現するとうたう。
エージーテックは、Ingres 10.2をベースにインストーラやユーティリティー、各種ドキュメントの日本語版をActianと共同開発し、法人向けサポートなどを提供し、2017年初夏の提供開始を見込む。価格は、2016年12月現在未定だが、日本のRDBMS市場で競争力のあるライセンスモデルに設定するとしている。製品販売体制やテクニカルサポート、コンサルティング、トレーニングを提供する販売パートナーネットワークも随時構築する。
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