LUCRA事業責任者に聞く、よりスケールの大きな“ものづくり”の魅力とは?:まだ君は間に合う! 現役エンジニアに聞く、学生のときにやっておくべきこと(16)(1/3 ページ)
エンジニアの醍醐味(だいごみ)は、“ものづくり”に携わり、作った“もの”が人々の役に立つこと。であるならば、“もの”はソフトウェアそのものでなくてもいいのではないだろうか――。
“ものづくり”に憧れてITのエンジニアを志す人は多い。しかし、ITにおける“ものづくり”とはソフトウェア開発だけを意味するものではない。より大きな視点で捉えれば、サービスそのものを作る、あるいは事業そのものを組み立てることだって“ものづくり”なのである。
そしてソフトウェアと同様、作ったらそれでおしまいではなく、改善や修正を加えながら、より良いものにしていく――そんなより大きなスケールの“ものづくり”に目覚め、現在、活躍している人物がいる。
「Gunosy」で女性向け情報サービス「LUCRA(ルクラ)」の事業責任者を務める渡辺謙太さんだ。
渡辺さんがより大きな視点での“ものづくり”を志すようになった経緯や、仕事の魅力、そしてこれから同じ道を歩もうとしているエンジニアたちへのアドバイスを聞いた。
「使う」から「作る」へ
渡辺さんがIT分野に目覚めたのは中学生のころのことだ。
「当時はまだフィーチャーフォン(ガラケー)全盛で、iモードアプリのゲームやケータイサイトに夢中になりました。そのうちに『自分でもアプリを作りたい』と思うようになりました」
興味は「使う」から「作る」へ。JavaやC++を勉強し、趣味でプログラムを書いて動かしたりするようになった。このころは自らの手で作ることが、大きな楽しみだった。
中学を卒業し、地元滋賀を離れ、三重県の工業高等専門学校(高専)の電子情報工学科に進んだのも自然な流れだったといえよう。高専では、それこそITに関するあらゆることを学んだ。そして高専の卒業が近づくころ、次の進路を決めなければならなかった。選択肢は、卒業して就職するか、大学に編入してさらに勉強を続けるか――渡辺さんは後者を選んだ。
2014年、東京大学工学部システム創成学科に編入。同学科は「専門的というよりは、金融や経済など、社会科学的な幅広い視点も含めてシステムを考えていく(渡辺さん)」もので、渡辺さんは松尾豊准教授の研究室で、深層学習を利用した文書分類システムを研究した。
「文章が新聞記事なのか学術文書なのかといったことを機械学習で判断し、分類していく、というようなテーマに取り組んでいました」
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