モチベーション、無理に「上げよう」としていない?――やる気が出ないときの処方箋:仕事が「つまんない」ままでいいの?(46)(3/4 ページ)
やる気マンマンですごしたい――多くの人がこう思っているはずです。でも、やる気を出すのは難しい。どうすればコントロールできるのでしょうか。
テンションが上がらないときの対応
まず、テンションのコントロールです。
1 体と心を整える
テンションは、上がったり下がったりします。ですから、一時的にテンションが下がるのはそれほど問題ではないし、むしろ当たり前です。この「テンションは下がるものだ」という特徴を知っておくだけでも、「無理に気合いを入れなくてもいいんだ」と思え、気持ち的に楽になります。
冒頭の「やる気が出ない」という知人にこの話をしたら、「やる気がないといけないと思っていたけど、何だか楽になった」と言っていました。
テンションに最も影響を与えるのは、体や心の状態です。
例えば、二日酔いの朝やパートナーとケンカしたときなどはテンションが下がります。また、エンジニアはプロジェクトの進捗(しんちょく)具合で夜遅くまで働くことも少なくありません。体が疲れている状態では、テンションは上がりません。
また、過度なストレスを抱えているときや不安ごとがあるときも、無理にやる気を「出そう」としても「出て」きません。
やる気が出ないときは、まず「体と心が疲れていないか」をチェックしてみると良いでしょう。
体が疲れているときは、「お風呂に入って温まる」「食べる」「よく寝る」など、調子を整えることが先決です(これ、意外と忘れがちですよね)。また、心が疲れているときは、以前紹介した「ただ、たたくだけ――エンジニアにオススメな“打鍵”瞑想法」も参考にしてください。
2 取りあえずやってみる
体と心は整っているのに、やる気が出てこないこともあります。
例えば、土曜日を一日寝て過ごして体と心は十分休まっているはずなのに、日曜日の朝、目を覚ましてもやる気が全然出てこないことはありませんか。
このような場合、やる気があろうがなかろうが関係なく「取りあえず動いてみる」と、やる気が後から付いてくることがあります。
例えば、部屋の掃除。最初は「面倒くさいなぁ」と思っていても、いざ、体を動かし始めるとスイッチが入ることがありますよね。なぜなら人の心は、行動によって感情が生まれることがあるからです。
心理学用語に「アンカー」という言葉があります。アンカーとは「条件付け」のことで、「○○(行動)すると→××(感情)になる」というものです。
例えば……
- 好きなカフェに行く(行動)と→テンションが上がる(感情)
- スーツを着る(行動)と→気持ちが引き締まる(感情)
気持ちにかかわらず、行動や場所が気持ちを変化させてくれるのです。
掃除の例なら、「掃除をすると、最後はスッキリした気持ちになれる」というアンカーが、やる気に火を付けてくれるのかもしれません。
少し話はずれますが、私は、嫌な気分になったときは、顔の口角を上げて意識的に笑顔を作るようにしています。笑顔にはいい気分が条件付けされているため、口角を上げて得られるいい気分と嫌な気分が相殺され、感情をコントロールしやすくなると感じています。
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