「案件ガチャ」はなぜ起きる:スライムしか出ないダンジョンを周回していませんか(5/5 ページ)
IT業界解説シリーズ、第5弾は三次請け以降で働くエンジニアが知っておきたい「案件ガチャ」の発生メカニズムと攻略法を徹底解説します。
【まとめ】案件ガチャループは抜け出せます
ITエンジニアとして活躍するためにスキルを磨くことは、とても重要です。
しかし「良い案件にアサインされる」ためには、「スキルシートの書き方」と「営業力」が重要なファクターであること、そこを見誤ると良い案件にありつける確率が低くなる、という実情についてお話ししました。
特にスキルシート。「スキルシートに書かれていないスキルは、持っていないスキルである」と見なされてしまいます。
この状態をRPGで例えるなら「武器は持っているのに装備していない状態」です。スキルを武器、案件をダンジョン、スキルシートにスキルを書くことを武器を装備すること、とすると、攻略に必要な武器を装備していないとダンジョンに入れません。
ところが、スキルシートの書き方が甘いが故に装備ができていないと見なされ、スライムしか出ないようなダンジョンを周回してしまっているエンジニアがとても多いのです。
今からでも遅くはありません。スキルシートの改善に、ぜひ取り組んでください。
過去に参画した案件の詳細な部分を思い出し、書き込んでいくのは自分一人ではなかなか困難です。お勧めなのは、エンジニア同士でお互いのスキルシートをチェック&フィードバックすることです。エンジニアなら「こういうプロジェクトだったらこういうツールを使ってるんじゃない?」など詳細部分を推測していけます。
良い武器を装備して、来たとこ勝負(来た案件の中で次を選ぶ)の案件ガチャから脱出し、より良いキャリアを築いてください。
稲葉徹
情報戦略テクノロジー 未来創造室 広報
SI業界の変革に本気で取り組む情報戦略テクノロジーの広報マン。100%ユーザー企業との取り引きを実現している会社だからこそ認識している業界の問題点と解決策を「分かりやすく伝わる化」することで業界改革の一端を担っていきたいと考えています。
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