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「案件ガチャ」はなぜ起きるスライムしか出ないダンジョンを周回していませんか(4/5 ページ)

IT業界解説シリーズ、第5弾は三次請け以降で働くエンジニアが知っておきたい「案件ガチャ」の発生メカニズムと攻略法を徹底解説します。

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良いガチャを引くために必要な条件その2「営業力」

 スキルシートを改善しても変化がなかったら、「場所(会社)」を見直さなければならないかもしれません。では、良いガチャを引けるのは、どのような会社なのでしょうか

営業力の有無が明暗を分ける

 日本には約2万社ものソフトウェア開発会社が存在します。そのため業務、研究開発部門の担当者が1社1社調べて適切な開発会社を探すことはあまりありません。では、どのような会社がユーザー直の案件を獲得しているのかというと、「営業力がある開発会社」です。

 これまでのIT業界の案件はSIer経由が主流でした。三次請け以降の開発会社は、電子メールで回ってくる案件に自社のエンジニアをアサインし、リソースが足りなければ単価の部分を書き換えてパートナー企業に情報を流すことで、ある程度仕事が回っていました。つまり「受け身の営業」でもなりたっていたのです。

 しかし近年は、ユーザー企業に自ら営業をし、直取引を獲得する開発会社が増えてきました。こうした「攻めの営業」をできるのが、営業力がある開発会社です。

営業に工数をかけているか

 営業力のないソフトウェア開発会社は、営業に工数を掛ける余裕がほぼありません。そのため、エンジニアが参画している案件の契約期間が切れる1カ月前にならないと、新しい案件探しを始められません。

 1カ月だと、オファーをもらえる案件は多くて「2〜3件」出そろう程度です。1カ月で決めなければならないため、エンジニアの希望にそぐわない案件しかなくてもさらに探す余裕がありません。

 営業力のある会社は、ユーザー直に営業に行くのに加え、案件情報を数カ月前から探し始めます。余裕を持って探せば、参画検討できる案件が何倍にも増えるからです。

営業力のある会社の見つけ方

 最後に、営業力のある開発会社の見極め方を伝授します。

 1つ目のポイントは「取引先」です。企業のWebサイトや会社案内の「取引先」を見て、ユーザー企業が並んでいたらビンゴです。

 「ユーザー企業のグループシステム会社」が並んでいたら、ユーザーとの間にグループ会社を挟んでいるため、二次請け以降のソフトウェア開発会社です。

 ユーザー企業の名前が1社だけの場合は、その企業の出身者が立ちあげたソフトウェア開発会社かもしれません。ユーザー企業直はその1社だけで、後はSIer経由という可能性があります。

 2つ目のポイントは「営業の人数」です。面談などで、営業が何人いるのか、エンジニアが何人いるのかを聞き、「1人の営業が担当するエンジニアの人数」を割り出してください。営業1人当たりエンジニアを20人以上抱えていたら、エンジニアの管理以外に営業工数を割く余裕がない会社である可能性が濃厚です。

 逆に、営業1人当たりのエンジニアの人数が少ない会社は、攻めの営業をしている可能性が高いといえます。

 また、一般人材派遣会社やフリーランス案件紹介企業は営業力が高い傾向にあります。これらの会社は「エンジニアが案件を選ぶ」ので、選ばれる案件を取るために営業が頑張るからです。

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