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どの時代にも生き残るエンジニアのスキルとスタンス技術スペシャリストは、ほんの一握り(2/3 ページ)

私がベンチャー企業を渡り歩きVPoEになるまでの経歴と、活躍している多数のエンジニアたちと出会い、一緒に仕事をしてきた経験を基に、外部の状況にかかわらず必要とされるエンジニアに共通するスキルやスタンスをお伝えします。

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アイデンティティーを大事にする

 最近は技術スキルのコモディティ化が進んできているため、転職や就職に際し、企業とエンジニアの「技術スキル以外の部分のマッチング」が大事な要素になっていると感じます。

 今でも年収を主軸に転職する方は多いと思います。しかし複数回転職を続けている人の中には、「個人の価値観と企業の価値観が合うところ」を探している人も増えているようです。

 自分の「技術的にやりたいこと」「関わりたいビジネスのジャンル」「働き方」などのさまざまな価値観の軸と、企業の「ビジネス内容」や「文化」のマッチングを、年収アップよりも優先している人も多くいます。そういう人は働くモチベーションや承認欲求の満足度を求めて転職活動をし、入社後はモチベーションが高く勤続年数も長めになるので、企業も成果を出してもらえてWin-Winになりやすい傾向があります。

 私も昨年転職活動をした際、年収だけで企業を選べば違う会社にいった可能性はあるでしょう。しかし今までの経験で、そういった企業選びは長続きするとは思えませんでした。

 そのため、私の仕事観である「世の中に価値があるプラットフォームを提供することで生活が豊かになるサービスを組織から作る」という仕事としてやり続けていきたいことと、「幼保領域のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めることにより、園の負担を軽減し、教育、子育てを支援するため、開発組織を強固にしプロダクトドリブンな会社にしたい」という部分がマッチしたのが、千入社の大きな理由です。「組織づくりの方向性」と「プロダクトの社会的価値が高い」ことは私の企業選びの重要なポイントでした。

 私の話は一例ですが、年収アップだけではなく興味関心を重視した企業選びをした方が、仕事のストレスが少なく、プライベートの満足度も高い状態になり、結果的に仕事のパフォーマンスが高くなります。成果を多く出すことによる社内の高評価によって年収アップにつながるパターンは王道なので、企業選びの基準として考えて良い視点だと思います。しかし、やりがいのみで年収を極端に下げる転職はおすすめしません。その場合は、スタートアップでストックオプションを取得するなど、特別な条件が必要だと思います。

 もちろん年収を第一とするのもいいでしょう。その場合は、収益性が高い会社や、将来伸びる業界への転職が有効です。年収が高い企業の選び方については、別の機会があればお伝えしたいと思います。

ポータブルスキルは無視できない

 前段で「市場価値として評価される」と書いたポータブルスキルを説明します。ポータブルスキルとは、「どんな企業や職種においても生かせるスキル」です。私なりに整理した、プロダクト開発におけるポータブルスキルを紹介します。

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