フリーランスエンジニアは、インボイス制度とどう向き合えばいいのか:導入直前、徹底解説
インボイス制度が2023年10月に導入されます。いままで免税事業者であったフリーランスエンジニアにはどのような影響があるのか、今後どのように対応したらよいのか、分かりやすく解説します。現在フリーランスで活躍しているエンジニアの皆さん、今後フリーランスになることを視野に入れている皆さん、そしてフリーランスエンジニアとビジネスを行う可能性のある皆さん必読です。
2023年10月に導入される消費税を正確に納付するための新しい制度、通称「インボイス制度」。気が付けば、導入タイミングがもう目前です。
これまで「免税事業者」だったフリーランスエンジニアはインボイス制度が始まることで大きな影響を受けるといわれています。情報収集もいよいよ終盤となり、そろそろ決断を下すときではないでしょうか。
フリーランスエンジニアの案件参画を支援する「ギークス」の方針は、「インボイス制度施行後も当面は課税事業者、免税事業者問わず取引します」です。免税事業者にも当面は「消費税相当額(10%)を月額単価に上乗せしてお支払いする」ため、提携するフリーランスエンジニアは、これまでと変わらない金額が受け取れます。しかし、フリーランスエンジニアとビジネスを行っている全ての組織がわれわれと同じ方針を打ち出しているわけではありません。各社さまざまな対応を予定しているため、フリーランスエンジニアの皆さんもどのような対策を採ればいいのか、不安になっていることと思います。
インボイスセミナーを開催して分かった、エンジニアの悩みごと
はじめまして、安竹と申します。ギークスでキャリアサポートとして、フリーランスエンジニアが安心して長く仕事を続けられるよう、悩みや不安を払拭(ふっしょく)したり、今後のキャリアプランを提案したりしています。
インボイス制度の導入が決まったときは、私たちの現場にも大きなざわつきがありました。「インボイス制度って何ですか?」「どういった影響があり、どのような対応をしたらいいですか?」という質問がエンジニアから多く上がってきましたし、フリーランスを続けるべきか否かという今後のキャリアを左右するような相談を持ちかけられたこともありました。
私たちは2023年の年初よりオンラインでフリーランスエンジニア向けのインボイスセミナーを5回実施し、計400人以上の方々に参加いただきました。
参加者の多くが気になっていたことは「結局、どういう選択が自分にとっていいのか?」ということです。
本稿では、その悩みを解消するための情報として、「インボイス制度の概要」「『免税事業者』と『課税事業者』の違い」「仕入税額控除とは」「『本則課税』と『簡易課税』の違い」「3年間の限定的な緩和措置『2割特例』とは」を、エージェント視点で分かりやすく解説します。
インボイス制度とは
インボイス制度とは何でしょうか。
多くの方がもうご存じだと思いますが、2023年10月から導入される、消費税を正確に納税するための制度です。制度導入後は、請求書を発行する際に、消費税法で定められた項目に沿った「適格請求書(インボイス)」の発行が必須になります。
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