Webアプリケーションの環境を構築するに当たって、一連のモジュール・ライブラリをセットアップするのは意外と手間の掛かる作業です。しかし、AppFuseを使用すれば、Antのコマンドを数回実行するだけで、Struts、Spring、Hibernate、MySQLといったさまざまなアーキテクチャが連携し合うサンプルアプリケーションをTomcatにデプロイすることができます。また、JUnit、Cactus、Javadoc、CheckStyleといったテスト、ドキュメント生成といった開発効率を向上させる環境も構築することができます。
AppFuseを実行するためには下記のモジュールと環境変数の設定が必要です。
バージョン | 設定する環境変数 | 備考 | |
---|---|---|---|
J2SE1.4以降 | JAVA_HOME | binフォルダにPATH設定 | |
Ant1.6.1以降 | ANT_HOME | binフォルダにPATH設定 | |
Tomcat 4.1以降 (5.0.24以降推奨) |
CATALINA_HOME | tomcat managerのパスワードをadmin | |
MySQL 3.23.以降 (4.0.18以降推奨) |
不要 | rootのパスワードは空白 | |
注:これらのモジュールのインストールと動作設定については「サーバサイド技術の学び舎 - WINGS」にある「サーバサイド環境構築設定」などを参照してください。なお、パスワードなどシステムの設定が備考と異なる場合はAppFuseを解凍したフォルダ直下のproperties.xml やbuild.propertiesを変更して調整してください。
AppFuseは、以下のサイトから入手することが可能です。ここでは「appfuse-1.7-src.zip」をダウンロードします。
・https://appfuse.dev.java.net/servlets/ProjectDocumentList
ダウンロードしたファイルを解凍、展開します。本稿では、C:\java\appfuseの直下にbuild.xml等を展開します。
AppFuseのサンプルアプリケーションにはメールを送信する機能があるため下記の設定を行います。
mail.host=smtp.myserver.xxx.jp |
error.mailTo=mymail@myserver.xxx.jp |
log4j.rootCategory=INFO,
stdout, mail (mailを追加します) |
C:\java\appfuse\lib\junit3.8.1の「junit.jar」をANT_HOME\libにコピーします。
AppFuseには日本語のプロパティファイルが用意されていないため、アプリケーションの実行中やUnitTestでエラーになることがあります。そこでC:\java\appfuse\web\WEB-INF\classesのApplicationResources_en.propertiesをコピーして、ApplicationResources_jp.propertiesというファイルを作成しておきます。
もしくは、ブラウザの言語設定にてen(英語)を設定しておきます(インターネットエクスプローラの場合、[ツール]→[インターネットオプション]を選択し、全般タブの[言語]ボタンを選択し、日本語[ja]の上に英語(U.S)[en-us]を追加します)。
コマンドプロンプトから下記のコマンドを実行します。
C:\java\appfuse>ant
setup-db ・・・(1) |
コマンドの実行後は、BUILD SUCCESSFULというメッセージが出力されていることを確認してください。もし、うまくいかない場合は、Buildファイルのエラー行数を確認して処理内容から原因を推測すると良いでしょう。
Tomcatが起動された状態でhttp://localhost:8080/appfuse/ にアクセスします。ユーザtomcat、パスワードtomcatでログインすれば、tomcatロールで、ユーザmraible、パスワードtomcatでログインすれば、adminロールでアプリケーションを使用できます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.