Red Hat Enterprise Linux 4
RHEL4の製品構成とサポート
RHEL4には、使用用途や対応するシステムの規模により4つのエディションが用意されている。
Red Hat Enterprise Linux AS | ||
大規模データベースやサーバアプリケーション用途 | ||
Red Hat Enterprise Linux ES | ||
小規模オフィスでのプリンタサーバやファイルサーバといった部門サーバ用途 | ||
Red Hat Enterprise Linux WS | ||
マシンパワーを必要とするパワーユーザー向けデスクトップ用途 | ||
Red Hat Desktop | ||
インターネット端末などの用途(企業環境での大量一括導入用) |
※特に制約はないが、ハード/ソフトウェア、アーキテクチャなどの性能による上限以上はサポートしない。 |
RHEL WSやRed Hat Desktopには、DNSサーバやDHCPサーバといったインターネットサービスを提供するパッケージが含まれない。ただし、カーネルやglibcなどのライブラリ、ユーティリティやデスクトップ環境といった主要パッケージは、全エディションで同一のものを使用している。どのエディションを選択するか検討する際は、CPUやメモリといったシステム上の制約(注)を基準にすることになるだろう。
注:Intel Xeonのハイパースレッディングのように、1個のプロセッサが2個の論理プロセッサの振る舞いをする場合も、物理的なCPUを1個と数える。 |
■収録されているパッケージとそのバージョン
SUSE LINUXなどに比べてカーネル2.6の採用で慎重であったことからも分かるように、安定性がRHELの基本コンセプトとなっている。そのため、収録されているパッケージを表にまとめると(表2)、やや保守的ともいえる安定版と最新版がバランスよく混在しているように見える。
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
表2 主要パッケージのバージョン 注:RHEL WSやRH Desktopには含まれていないものもある。 |
■サポート期間と製品サイクル
RHELの製品ライフサイクルは、3段階に分かれている。アップデートは定期的(通常3カ月ごと)に提供され、前バージョンのRHEL3はupdate4まで提供されている。Errataは、セキュリティやバグなどへの対策として必要に応じて配布される。
- 第1段階:フルサポート
開始日:米国における製品出荷日
終了日:上記開始日から2年半後
新しいハードウェア対応を含めたアップデートと、すべての提供可能なErrataの提供
- 第2段階:デプロイメント
開始日:米国における製品出荷日
終了日:上記開始日から3年後
セキュリティとバグフィクスに関するアップデートとErrataのみ提供
- 第3段階:メンテナンス
開始日:米国における製品出荷日の3年後(デプロイメント終了後)
終了日:デプロイメント終了から4年間(製品出荷日から7年後)
セキュリティとミッションクリティカルと判断されたバグフィクスのErrataのみ提供
注:初期出荷日は米国(RHEL4の場合は2005年2月15日)が適用される。 |
上記をRHEL4に適用した場合、
- フルサポート(ハードウェアアップデート含む):2007年8月31日まで
- デプロイメントサポート:2008年2月29日まで
- メンテナンスサポート:2008年3月1日から2012年2月29日まで
となる。起日が最終出荷日ではなく初期出荷日になっているなどの違和感はあるもものの、製品サイクルはとても長いものになっている。最終出荷される直前に製品を購入したとしても、「メンテナンス」を最低でも4年以上受けることができるため、通常のシステムサイクル(3〜5年)を考慮しても、対応できるのではないだろうか。ただし、これらのアップデートやErrataを入手するには、Red Hat Network(RHN)を1年ごとにサブスクリプション(購読)する必要がある。
参考:Red Hat Enterpriseのサポートポリシー http://www.jp.redhat.com/software/rhel/support_policy_jp.html |
2/3
|
|
||||||
|
Linux Squareプロダクトレビュー |
Linux Squareフォーラム 製品情報・レビュー関連記事 |
特集:2007年、Linuxディストリビューションの歩みを振り返る 商用、非商用ともにメジャーバージョンアップが相次いだ2007年。主なディストリビューションを取り上げ、アップデート内容を紹介します |
|
プロダクトレビュー[Ubuntu 7.10 日本語ローカライズド Desktop CD] 海外のみならず日本国内でも人気急上昇中のUbuntu。優れたインターフェイスを備えるとともに、豊富な機能がコンパクトにパッケージされている |
|
特集:業務で使うデスクトップLinux カタログ 定型業務さえこなせればよいという部門も多い企業環境は、コンシューマ市場以上にLinuxへの移行が容易ともいえる。そこで、6つのLinuxディストリビューションを紹介する |
|
特集:Linuxで動くリレーショナルデータベース・カタログ データベースサーバのOSとしてLinuxを採用するケースが増えている。Linuxで動作する7つの主なリレーショナルデータベースを紹介する。製品導入の際の参考にしてほしい |
|
特集:Windowsで動くXサーバ・カタログ やや特殊な用途に用いられてきたXサーバだが、活用しだいでは普通の管理用途にも有用だ。そこで、Windowsで動作する6本のXサーバを紹介する。選択の参考にしてほしい |
|
特集:Linuxで動くJavaアプリケーションサーバ・カタログ アプリケーションサーバは、いま最も開発競争が激しいジャンルの1つだ。その中から、Linuxに対応する5つの商用製品を紹介する。製品導入の際の参考にしてほしい |
|
特集:Linuxで動くWebグループウェア・カタログ Linuxを業務用サーバに採用するケースも増えている。そこで、Linuxをサーバとして利用するWebベースのグループウェアを紹介しよう |
|
|
- 【 pidof 】コマンド――コマンド名からプロセスIDを探す (2017/7/27)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、コマンド名からプロセスIDを探す「pidof」コマンドです。 - Linuxの「ジョブコントロール」をマスターしよう (2017/7/21)
今回は、コマンドライン環境でのジョブコントロールを試してみましょう。X環境を持たないサーバ管理やリモート接続時に役立つ操作です - 【 pidstat 】コマンド――プロセスのリソース使用量を表示する (2017/7/21)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、プロセスごとのCPUの使用率やI/Oデバイスの使用状況を表示する「pidstat」コマンドです。 - 【 iostat 】コマンド――I/Oデバイスの使用状況を表示する (2017/7/20)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、I/Oデバイスの使用状況を表示する「iostat」コマンドです。
|
|