デスクトップLinux カタログ
定型業務さえこなせればよいという部門も多い企業環境は、コンシューマ市場以上にLinuxへの移行が容易ともいえる。そこで、企業環境に向いていると思われる6つのディストリビューションを紹介する。(編集局)
北浦 訓行
2005/2/1
「デスクトップLinux」は普及するか?
企業がLinuxをサーバに採用するのも珍しいことではなくなってきたが、一般事務を行うPCのクライアントOSとしてLinux(編注)を導入するという話はあまり聞かない。しかし、米国をはじめとする調査会社のレポートでは、企業において今後Linuxの利用が広がるという結果が出ている。
編注:以下、本記事ではクライアントOSとして利用するLinuxディストリビューションを「デスクトップLinux」と呼ぶ。 |
クライアントOSをWindowsからLinuxに切り替える動きの背景には、メンテナンス性とセキュリティ対策がある。
Windowsはプロプライエタリな製品であり、ソースコードは非常に限られた対象にしか公開されていない。従って、サポート期間終了後に発見されたセキュリティホールにユーザーが対処することはほぼ不可能だ。それに対して、Linuxはソースコードが広く公開されているため、ディストリビュータによる修正パッチの提供が終了したとしても、自社でパッチを当てるのは不可能ではない。
運用コストも無視できない。OS単体の導入コストはそれほど変わらないが、オフィススイートを含めるとそれなりの差が出てくる。もちろん、オフィススイートに関してもサポート期間の問題は付きまとう。
コンピュータウイルスは、依然として深刻な問題である。現時点においては、LinuxをターゲットとしたウイルスはWindowsのそれに比べて格段に少なく、いまのところ比較的安全といえる。
ただし、Linuxがより普及すれば、当然それを狙ったウイルスの出現が予想される。いずれは、Linuxでもウイルス対策が重要課題となるだろう。
紹介製品
こうした動向を受けて、企業環境での利用にフォーカスしたディストリビューションも登場しつつある。今回は、それらを含めて以下の製品を取り上げた(編注)。
- Novell Linux Desktop 9
- Red Hat Professional Workstation
- Sun Java Desktop System, Release 2
- SUSE LINUX Professional 9.2
- Turbolinux 10 Desktop
- Vine Linux 3.1 CR
編注:本記事は企業での業務利用がテーマであるため、明確な販売元の存在しないコミュニティベースのディストリビューションは対象から除外させていただいた。また、デスクトップLinuxの中でもコンシューマ向けに特化した製品も対象外とした。 |
以上の製品について、それぞれの特徴や管理ツール、企業環境に欠かせない印刷機能やサポートなどについて紹介する。
なお、業務利用が前提であるため、動画再生やCD/DVDメディアへの書き込み機能、インスタントメッセンジャなどについては一切考慮しなかった。
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