Xサーバ・カタログ
やや特殊な用途に用いられてきたXサーバだが、活用しだいでは普通の管理用途にも有用だ。そこで、Windowsで動作する6本のXサーバを紹介する。選択の参考にしてほしい。(編集局)
北浦 訓行
2003/7/15
LinuxとWindowsを同時に使っているユーザーにとって、Xサーバはとても魅力的なソフトウェアだ。今回は、商用の比較的高価なものからフリーのものまで6本を紹介する。
Xサーバとは
Linuxでは、ウィンドウシステムとしてX Window Systemが使われます。1984年にMIT(マサチューセッツ工科大学)で開発されたX Window Systemは、クライアント/サーバモデルを採用し、ネットワークを強く意識した構造になっています。
■クライアントで使うのに「サーバ」
「Xサーバ」は、画面表示やキーボード、マウスの入力などを処理します。そして、その情報を利用するアプリケーションが「Xクライアント」です。従って、手元で操作するPCにインストールするのがXサーバです。一般的なクライアント/サーバでは、手元で操作するのがクライアントで、バックグラウンド処理などを担当するのがサーバですから、慣れないと混乱するかもしれません。
■X Window Systemの一般化
これまでXサーバは、主にCAD/CAMなどを操作する設計者やUNIX系のエンジニア、企業の業務システムの端末を操作するスタッフなど、一部の人たちが使ってきました。しかし、LANがPCの標準装備品になったことや、Linuxが広く使われるようになったことなどから、趣味でPCを使うユーザーもXを使うケースが増えてきました。
複数のPCをLANで接続して、WindowsとLinuxをアプリケーションによって使い分けているユーザーもたくさんいます。その際、2つのPCの画面を同じディスプレイ上に表示できたら便利です。
Windowsの画面をLinux上に表示したり、Linuxの画面をWindows上に表示する方法はいくつかありますが、その中で最も「スジ」がいいのが、WindowsマシンにXサーバを導入することです。なぜなら、X Window Systemは当初からさまざまなネットワーク環境で効率よく動作することを目的に開発されているからです。最近では、Red Hat Linuxをはじめとして、GUIのシステム設定ツールを用意しているディストリビューションも増えていますから、それだけでもX Window Systemを使うメリットがあるといえるでしょう。
■評価対象
今回は、商用/フリーを問わず、Windows上で動作するXサーバを対象にしました。商用のXサーバについては、評価版を入手できることが条件です(注)。その結果、以下の6本を試用しました。
- ASTEC-X 4.00
- Exceed V8.0J
- Reflection X 10.0
- X-Win32 Version 5.4
- X on Windows 2
- WeirdX 1.0.31
注:X on Windows 2は市販のパッケージ製品で評価版は存在しませんが、Cygwin/XFree86をベースに開発されたものであり、入手しやすい価格設定なので、Cygwin/XFree86の代わりとして対象に加えました。 |
評価の基準は、主に以下の点です。
- 日本語対応(Webによるサポート、プログラムの日本語化など)
- Linuxでの設定・接続のしやすさ
なお、テストに際して、接続相手となるホストにはRed Hat Linux 9を使用しました。
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