Turbolinux 7 Workstation
メイン環境はKDEに変更
デスクトップ環境としては、セオリーどおりGNOMEとKDEの両方を収録するという対応を取っている。また、GNOMEにはNautilusやGnumeric、KDEにはKonquerorやKOfficeなど、それぞれの環境に合わせたアプリケーションを配している。
画面3 Turbolinux 7でX Window Systemを起動したところ。Konquerorの使い勝手も良好だ(画像をクリックすると拡大表示します) |
しかし、力点は明らかにKDEに置かれている。KDEがインストール時点ですでにかなりカスタマイズされたものであるのに対し、GNOMEはほとんどデフォルトに近い。Turbolinux 7における標準デスクトップ環境の地位はKDEに移ったといえるだろう。
そのKDEだが、2.1から組み込まれたアンチエイリアス機能により、美しいデスクトップ環境を実現している。また、リコーのフォントはアンチエイリアスオフでも十分なクオリティを実現している。各自好みの設定で使えばいいだろう。
画面4 標準のKochi Gothicフォントでアンチエイリアスをオフにした場合 | 画面5 Kochi Gothicフォントでアンチエイリアスをオンにした場合 |
画面6 リコーのビットマップフォントでアンチエイリアスをオフにした場合 | 画面7 リコーのビットマップフォントでアンチエイリアスをオンにした場合 |
Companion CDに収録されているATOK X for Linuxで入力環境を整えれば、(画面への)日本語入出力に不満を感じることはないだろう。
Turblinuxの特徴はTurboToolsにあり
Turbolinuxがほかのディストリビューションと異なる点を挙げるなら、やはり独自の管理ツール集「TurboTools」を忘れるわけにはいかない。TurboLinux 3.0まではGUIだったが、TurboLinux 4.0(注)からテキストベースに移行して現在に至っている。
注:当時は「TurboLinux」で、6.0の途中から「Turbolinux」に表記が変更された。 |
turbowmcfg | ウィンドウマネージャ(デスクトップ環境)の変更 |
turboservice | サービスの起動/停止を設定する |
turbonetcfg | ネットワーク関係の設定を行う |
turbopkg | パッケージ管理用ツール |
turbomkboot | ブートディスク作成ツール |
turboprintcfg | プリンタの設定を行う |
turbotimecfg | 時間の設定を行う |
turbolangsel | デフォルトの言語を選択する |
turbohwdetect | ハードウェアの検出/情報表示を行う |
turbofscfg | マウントポイント、LILOの設定を行う |
turbousercfg | ユーザー管理ツール |
turboxcfg | X Window Systemの設定を行う |
表 Turbolinux 7のTurboTools |
ファイルシステムの作成やマウントポイント、LILOの設定が可能なturbofscfg(画面8)など、12のツールが用意されている(表)。テキストベースゆえに、リモート端末からでも操作できるなどのメリットがあるが、パッケージ管理ツールであるturbopkg(画面9)だけはテキストベースであることがデメリットになっているように感じる。とにかく、膨大なパッケージリストをスクロールさせるのが苦痛なのである。ツリービューでグループ化して必要なグループのみを見られるようにしたり、マウスでスクロールできるGUIツールも用意してほしいところだ。
画面8 turbofscfgの画面。ファイルシステムの作成やファイルシステム関係の各種設定が可能(画像をクリックすると拡大表示します) |
画面9 パッケージリスト作成機能など、便利な機能も多いturbopkg。キーボードで延々とスクロールするのは少々つらい(画像をクリックすると拡大表示します) |
すぐ使い始められるディストリビューションへ
今回、レビュー用にインストールしてみて最初に感じたのが、インストールを始めてから評価を開始できるようになるまでが非常にスムーズだったということだ。Mongooseによるインストールは容易かつ効率的で、ATOK X for Linuxなどの商用ソフトウェアの導入までが一連の流れの中で終了する。インストールが終われば、すぐにKonquerorでWebをブラウズしたりATOK X for Linuxで日本語の入力ができる。
初心者に使いやすいのはもちろんだが、環境構築に時間をかけたくない人にもお勧めできる製品といえるだろう。
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