ネットブックで動く軽量Linuxディストリ大全(後編)
〜 ネットブック専用にサーバ用、よりどりみどり 〜
Shin.鶴長
2009/2/25
サーバ用途の軽量ディストリビューション
ここまで、デスクトップ用途で使うためのLinuxディストリビューションを取り上げましたが、読者の中にはサーバ用途の軽量Linuxディストリビューションに興味をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
使わなくなったPCをサーバとして復活させるために、古くはFD(フロッピーディスク)から起動するLinuxがもてはやされ、最近ではUSBメモリディスクを利用するものが活躍しています。ブートイメージをUSBメモリやSDカードにコピーし起動することで、ディスクレスPCをルータやファイアウォールとして活用することも、大容量ディスクを搭載したPCをファイルサーバとして役立てることもできます。ディストリビューションによってはApache HTTPDやFTPDといったデーモンの設定にGUIが用意されているものもあり、市販のネットワークハードディスクに引けを取らない便利さを可能にしています。
■Devil-Linux
Devil-Linuxは、ルータ、ファイアウォール、ファイルサーバをはじめ、Webサーバ、メールサーバ、VPNサーバなど、多くのサーバ機能を収録したディストリビューションです。Live CDとして利用します。ブートイメージをUSBメモリにコピーすることも可能で、CD/DVDドライブを搭載しないPCでも利用できます。
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画面1 Devil-Linuxの起動画面 |
最初のセットアップには、イメージファイル付属のサンプルファイルを使用するか、Devil-Linux起動後にsetupコマンドで作成したものを使用します。一般的なLive CDでは、起動中に作業した内容は再起動でリセットされますが、Devil-Linuxでは設定ファイルをCDに収録しておくことも、フロッピーディスクや外部メモリに書き出しておくこともできるため、再設定の必要はありません。
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画面2 Devil-Linuxのセットアップ |
なおLinuxカーネルには最新の2.6系ではなく、1世代前の2.4系が使用されています。またソフトウェアの追加には、Red Hat系のRPMやDebian系のAPTではなく、LFS(http://www.linuxfromscratch.org/lfs/)と呼ばれるビルドシステムが採用されています。
UNIXでは、バックグラウンドプロセスを「デーモン」と呼びますが、それとDevil-Linuxの名前の由来との関連性を勘ぐってしまいます(ちなみにUNIXデーモンは「daemon」とつづり、守護神の意を持ちます。なお悪魔のスペルは「demon」です)。
■Ubuntu サーバ版
いわずと知れた、Debian GNU/LinuxをベースにしたLinuxディストリビューション「Ubuntu」のサーバ版です。デスクトップ版はインストールメディアをLive CDとしても利用できますが、サーバ版ではインストールが必須で、Live CDの利用はできません。
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画面3 Ubuntuサーバ版のインストール画面(ディスク設定) |
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画面4 Ubuntu サーバ版のインストール画面(サービスの選択) |
サーバとして稼働させることを目的にしており、Xウィンドウをはじめとするデスクトップ環境を一切省き、主な操作はコンソール上で行います。ビデオカードは640×480程度の解像度が表示できればよく、高スペックを必要としません。同じく、ハードディスクに300Mバイト程度の空きがあれば、最小構成でインストール可能です。
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画面5 Ubuntuサーバ版のログイン画面 |
Ubuntuデスクトップ版を使用している場合には、慣れ親しんだ設定方法やパッケージ管理コマンドを利用することができます。
■FreeNAS
FreeNASはLinuxではなく、FreeBSDを基にしたディストリビューションです。Linux Squareで紹介することがはばかられますが、秀逸なサーバ系ディストリビューションとして、掲載しておきます。
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画面6 FreeNASの起動画面 |
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画面7 FreeNASコンソール上でのセットアップ |
その名のとおりファイルサーバ機能に特化しており、Sambaをはじめ、FTP、NFS、SSH、iSCSIなどさまざまなプロトコルに対応しています。またiTunes音楽ファイル共有のためのDigital Audio Access Protocol(DAAP)を使用することも可能で、多種多様なファイル共有サービスを可能にします。基本的な設定はコンソールで行いますが、Webインターフェイスも用意されています。
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画面8 FreeNASのWebインターフェイス |
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画面9 Webインターフェイスでネットワークの稼働状況の確認 |
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画面10 WebインターフェイスでiTunes音楽ファイル共有のためのプロトコル・DAAPの設定を実行 |
Live CDとして利用するためのイメージファイルとともに、USBメモリやハードディスクに書き込むためのファイルも用意されています。
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Index |
ネットブックで動くLinuxディストリ大全(後編)
ネットブック専用にサーバ用、よりどりみどり |
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Page 1
ネットブック専用Linuxディストリビューション |
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Page 2
軽量Linuxディストリビューションの特徴(2) |
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Page 3
Tips 1:Live CD用ISOイメージファイルをUSBメモリで利用する
Tips 2:Liveメディアで作業したデータを永続的に使用する
皆さんの選択は? |
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