特集
DVD-RAMドライブの実像
-- なぜDVD-RAMは普及しないのか --
デジタルアドバンテージ 小林章彦
2001/08/08
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今回のテストに用いた東芝製DVD-RAMドライブ「SD-W2002」 |
4.7GbytesのDVD-RAMに対応したDVD-RAMドライブ。バルク品ならば、PCパーツ販売店で3万円前後で購入可能だ。 |
書き込み可能なDVDベースの規格には、1度だけ書き込み可能なDVD-RとDVD+R、また繰り返し書き込みと消去が可能なDVD-RAM、DVD-RW、DVD+RWと非常に多くのフォーマットがある(DVD+RとDVD+RWに対応した製品はまだ販売されていない)。最近では、DVD-RとRW、DVD-RとRAMといったように2つのフォーマットに対応したドライブが販売され、使い勝手は向上しているが、それでも多くのフォーマットがあるため分かりにくい製品分野となっている(DVDの規格については「ニュース解説:混沌のDVD規格、ライトワンス型のDVD+Rが登場
」を参照のこと)。そうした影響か、2000年6月に片面4.7Gbytes対応のDVD-RAM(Version 2.0)が発表されてから、1年が経過するのに普及の兆しが見えてこない。
DVDが規格化された当時、リムーバブル・ストレージはすべてDVD-RAMになると予想されていた。しかし、フタを開けてみると、むしろCD-R/RWを標準搭載するPCは、当時よりも増えているくらいだ。すべてのPCベンダがCD-R/RWドライブ搭載モデルをラインアップしているのに対し、DVD-RAMを標準搭載するPCが日立製作所のPrius Deckと富士通のFMV-DESKPOWER M7/1207T、DVD-R/RWドライブがコンパックのPresario 5112JPやソニーのPCV-RX72Kシリーズと数えるほどしかないのとは大きな違いである。
しかしながら、ここにきてDVD-RAMドライブの価格は低下してきており、ATAPIの内蔵型ならば4万円以下で購入可能だ。バルク品でもよければ、3万円以下で買えるようになった。ドライブ単価では、CD-R/RWドライブやMOドライブに近づいてきている。また、DVD-R/RAMドライブとDVD-R/RWドライブの登場により、書き込み型DVDに注目が集まっていることなどから、やっと立ち上がる可能性が出てきた。
そこで、実際にDVD-RAMドライブを使って見ることで、DVD-RAMドライブの使い勝手を調べ、普及の可能性があるのかどうかを検証することにした。なお、今回のテストに用いたドライブは、東芝製の「SD-W2002」である。秋葉原のPCパーツ販売店において、約3万円で販売されていたバルク品だ(デバイス・ドライバなどが入ったCD-ROMが付属)。
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