プロダクト・レビュー・スペシャル

大量導入向け低価格1Uサーバ
「コンパック ProLiant DL320」

1.1Uサーバの内部をのぞく

デジタルアドバンテージ
2001/04/11

 次は、ケースを開けて内部の構成を見ていこう。薄型のケースでは大型の冷却ファンが使えないうえ、空間が狭いため熱がこもりやすい。そのため、小型の冷却ファンを多数前後に配置していることが分かる。ケースのフロントパネル側にドライブ類、リアパネル側にマザーボードという配置は、1Uサーバでは一般的なものだ。

ケースの開け方
本機のケースを開けるには、の部分を押し込みながら、上蓋を後ろにスライドさせればよい。ネジを外さずとも、カバーを外して内部をのぞくことが可能。
 
完全にカバーを外した状態 (拡大写真:84Kbytes
前面部分にハードディスクなどのドライブ類が集中しており、その背後にマザーボード拡張スロット電源ユニットが配置されているのが分かる。薄型ケースゆえ自由度も低いせいなのか、どの1Uサーバも、パーツの配置は、大体これと同様である。
 
ケースのフタの内側に張られたドキュメント (拡大写真:87Kbytes
各種パーツの増設・交換方法やケーブルの接続方法、マザーボード上のジャンパ・スイッチやコネクタの解説などが簡潔にまとめられている。メンテナンスの際には、大いに役立つだろう(少なくとも、紙のマニュアルに比べれば紛失しにくいというメリットがある)。
 
空冷ファンの配置
熱のこもりやすい容積の小さなケースゆえ、本機に内蔵されている空冷ファンは7個と多い(しかも各ファンの容量は直流12Vで0.15Aと、比較的大きなものだ)。その配置は、プロセッサとハードディスクの間、メモリの背後、電源ユニット前面に分散している。風の向きはいずれもフロントパネルからリアパネルの方向だ。いずれのファンも回転速度をモニタ可能で、万一の故障によりファンの回転数が落ちたり、あるいは止まったりした際には、ソフトウェア・レベルでこれを検出できるよう設計されている。
 
内蔵の電源ユニット
1Uサーバとしては一般的な仕様だが、フォールト・トレランスやホットスワップには対応していない。出力は最大180Wだ(ピークでは200Wまで)。前面に取り付けられた2基のファンは、本機が停止していても、コンセント/UPSからの電源ケーブルが電源ユニットにつながっていると、必ず回っていた。PC本体の電源がオフでも、電源ユニットに通電していて熱が生じていれば、それは冷却すべきだ、という設計思想のようだ。

  関連記事(PC Insider内)
資料
1Uラックマウント型IAサーバ:「コンパックコンピュータ ProLiant DL320
IT Market Trend:第2回 拡大するラックマウント型サーバ市場
スケーラビリティの高い1Uサーバ「PowerEdge 1550」
 
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ProLiant DL320の製品情報
 


 INDEX

  [ プロダクト・レビュー・スペシャル ]
   大量導入向け低価格1Uサーバ「コンパック ProLiant DL320」
  1.1Uサーバの内部をのぞく
    2.マザーボードを詳しく観察する
    3.ハードウェアの拡張性を探る
     コラム:リモート管理用カード「リモートInsightボードLights-Out Edition」
 
「PC Insiderの特集」


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