スペック一覧表

1Uラックマウント型IAサーバ


デジタルアドバンテージ
2001/02/16

 2000年のIA(Intel Architecture)サーバ、つまりx86プロセッサ搭載のPCサーバ市場における特徴として、19インチ・ラックに設置可能なラックマウント型の製品が多かったが挙げられる。特に、厚さが約44.4mmの1Uラックマウント型IAサーバには、各ベンダが特に力を入れており、ここ数カ月間(2000年後半〜2001年2月)でも、新製品の発表・出荷が相次いでいる。

 このように1Uラックマウント型のサーバが注目されている理由は、「連載:IT Market Trend」の「第2回 拡大するラックマウント型サーバ市場」にて詳細を解説しているので参照していただきたい。大雑把にいえば、データセンター内の限られた設置面積の中に数多くのサーバを導入し、集中管理したいという、サーバ導入担当者/管理者の要望にこたえたものである。特にISPASPやインターネット・データセンターでは、数百〜数千台という大量のサーバを設置する必要があり、限られたスペースになるべく多数のサーバを詰め込むことが、高い価格競争力を生む。また、企業内の情報システムにおいても、大量のサーバを導入する場合はもとより、それほど台数が多くなくても、集中管理のための機能を備えているラックマウント型サーバのほうが便利である、という事情もある。

 そこで本企画では、製品数も増えてきた1Uラックマウント型サーバのうち、x86プロセッサを搭載したIAサーバ14機種をピックアップし、横並びで比較できるスペック表を作成した。機種選定などに役立てていただきたい。

掲載しているサーバの選定条件

本企画で取り上げた製品の条件は、

  • 厚みが1U(約44.4mm)の19インチ・ラックマウント・ケースを採用している。
  • PCアーキテクチャをベースとしたx86プロセッサ搭載のIA(Intel Architecture)サーバである。

というものだ。ただし、特定用途のアプリケーションをプレインストールした、いわゆるアプライアンス・サーバは除外し、汎用的な使い方の可能な「PCサーバ」に絞り込んだ。1Uラックマウント型アプライアンス・サーバについては、別途取り上げてみたい。

 また今回は、コスト重視のIDEハードディスク搭載機と性能重視のSCSIハードディスク機という2機種を選んでいる。ベンダによっては、さらに上位機種としてハードウェアRAID搭載機もラインアップしていることもあるが、多くがSCSIハードディスク機をベースとしているため割愛している。なお、各サーバの価格と仕様は、(特記しない限り)2001年2月15日現在のものである。

スペックで注目すべきポイント

 本企画のために1Uラックマウント型IAサーバのスペックを調べている過程で、気付いた点をコメントしよう。

インテル
ISP1100 Internet Server Platform
   
沖電気工業
if Server LP1000r
   
コンパックコンピュータ
ProLiant DL320
ProLiant DL360
   
デルコンピュータ
PowerEdge 350
PowerEdge 1550
   
日本アイ・ビー・エム
eServer xSeries 330
   
日本電気
Express5800/110Rb-1
Express5800/120Ra-1
   
日本ヒューレット・パッカード
hp netserver lp 1000r
   
日立製作所
HA8000/110B3
HA8000/110D3
   
富士通
PRIMERGY TS120
PRIMERGY TS220

■複数の機種がラインアップされている理由

 1つは、1Uラックマウント型IAサーバとして複数機種をラインアップするベンダが増えていることだ。以前は、デュアル・プロセッサ対応でSCSIハードディスク搭載という、タワー型IAサーバにおけるミッドレンジの下位から中位の機種に相当する製品がほとんどだった。しかし最近は、プロセッサはシングルのみに対応でハードディスクもIDEというエントリ・クラス相当の低価格な製品がラインアップに追加される動きが目立つ。こうした下位機種は、デュアル・プロセッサやハードディスクのホットスワップをサポートしないなど、スペック面で見劣りするものの、その分価格は安い。それだけではなく、製品によっては消費電力も低減されている。サーバを大量に導入する場合、電力環境が障害になるケースも増えてきており、消費電力がサーバ選択の重要なポイントになることもある。

 つまり低価格な下位機種は、1台ごとの性能は低くても高密度化を実現しやすく、一般的にはISP/ASPやインターネット・データセンターなどに好適といえる。一方、上位機種の方は、単体でも性能やスケーラビリティがそこそこ高く、従来のタワー型IAサーバの代替としての用途が重視されている。機種選定時には、このように機種ごとの得意な分野や用途の違いに気を付けたい。

■拡張性の違いが目立つ

 約44.4mmという薄型ケースゆえ、1Uラックマウント型サーバのハードウェア拡張性は制限されがちだ。特に拡張スロットの数は多くても2本と少ない。製品によっては1本しかない、あるいは小さな拡張カード(ハーフサイズやロープロファイルなど)しか装着できない、といった制限もある。このように拡張スロットにスペックに関しては、各製品のバラツキが大きい。

 また細かいところでは、サポートされているPCIのバス幅やクロック周波数にも、製品ごとに違いがある。多くの製品が64bitsバスで33MHzのPCIスロットを1本以上装備しているが、中には32bitsバスしか対応していなかったり、64bits/66MHzの高速バスをサポートしていたりする。 

 ファイル・サーバやデータベース・サーバなど、大容量のストレージを必要とする用途では、ドライブ・ベイの少ない1Uラックマウント型サーバの場合、ストレージは外付けになる。当然、SCSIやファイバ・チャネルのホストアダプタなど拡張カードを追加しなければならない。こうした用途では拡張性にも注意を払いたい。記事の終わり


 掲載している全サーバの仕様を同時に比較できるスペック表を用意しました。

1Uラックマウント型IAサーバのスペック表: spec_1u_ia_server.zip
(更新日:2001年4月14日、サイズ:約15Kbytes)

 ZIP形式で圧縮されているので、解凍してご利用下さい。閲覧にはMicrosoft Excel 97/2000以降が必要です。

 
  関連記事(PC Insider内) 
IT Market Trend:第2回 拡大するラックマウント型サーバ市場
大量導入向け低価格1Uサーバ「コンパック ProLiant DL320」
スケーラビリティの高い1Uサーバ「PowerEdge 1550」
Crusoe搭載ノートPC
Intel 815/815Eチップセット搭載PC(2000年秋冬モデル)

 
 
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