プロダクト・レビュー・スペシャル 2.マザーボードを詳しく観察する |
規格統一と低価格化により、最近のデスクトップPCのマザーボードはどれも似たり寄ったりで画一的になってしまったが、サーバのマザーボードには、製品ごとの特色が見られる。ProLiant DL320の場合、たとえばマザーボードのフォーム・ファクタは独自のようだ。また、ディスク・インターフェイス用に専用ドータ・カードを装着できるよう設計されている。DIMMソケットも、ケースの高さを1Uサイズに抑えるための工夫がなされている。拡張カードは、写真のPCIスロットにライザー・カードを差して、そこに横差しすることになる。チップセットは、Pentium III搭載サーバで採用が多いServerWorks製のServerSet III LE(製品情報)だ。
本機のマザーボード (拡大写真:112Kbytes) | ||||||||||||||||||||||||||||||
撮影のため、拡張スロットのライザー・カードやディスク・インターフェイスのドータ・カードなどは取り外してある。フォーム・ファクタは独自のようだ。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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メモリ・ソケット − 1Uサイズに抑えるための工夫あり
メモリ・ソケット (拡大写真:68.4Kbytes) |
メモリ・モジュール(DIMM)を最大4枚まで装着できる。ソケットの向きが傾いているのは、厚さ44.4mmのケースに背の高いPCサーバ用DIMMを装着するためである。DIMM1枚あたりの最大容量は512Mbytesなので、利用可能なメイン・メモリは最大2Gbytesだ。DIMMの増設は1枚単位で可能だ。 |
メモリ・モジュール | |||||||
評価機に装着されていたのは、このPC133規格に合致したRegisteredタイプのSDRAM DIMMである。一般的なデスクトップPC用のUnbuffered DIMMに比べると、Registered DIMMはより多くのメモリ・チップを搭載可能で、1枚あたりの記憶容量を大きくできるという特徴がある。そのため、大容量のメモリを搭載する必要があるPCサーバやワークステーションなどでは、Registered DIMMを採用している場合が多い。 | |||||||
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イーサネット − 2系統のインターフェイスでフォールト・トレランスなどをサポート
2組のイーサネット・インターフェイス | |
このように、同じパーツからなる2組のイーサネット・インターフェイス回路(と)が実装されており、コネクタものように2つ装備されているのが分かる。2組のインターフェイスは独立しており、ルータのような用途もカバーするが、特徴的なのは専用ドライバとの組み合わせで、フォールト・トレランスとロード・バランシングも実現できる点だ。つまり、片方のインターフェイスに障害が生じても、もう一方が代わりに働くことでサービス停止を防げるし、両方稼働することで転送レートを倍増させることも可能だ(ただし性能向上には、対応するスイッチング・ハブとの連動などが必要)。イーサネット・コントローラはIntel 82559というチップで、ラックマウント型IAサーバでは採用例が多い。10BASE-Tと100BASE-TX、および半二重/全二重それぞれに対応しており、自動切り替えもサポートしている。 |
ハードディスク・インターフェイス − 交換可能なドータ・カードで実装
評価したProLiant DL320はIDEハードディスク搭載モデルだが、コンパックは同じProLiant DL320でSCSIハードディスク搭載モデルもラインアップしている。そのためなのか、ハードディスク・インターフェイスはドータ・カード上に実装されている。
マザーボード上のIDEインターフェイス・カード (拡大写真:70Kbytes) |
マザーボードの中央にあるこのカードは、1つのコネクタでマザーボードと接続されている。SCSIモデルには、このIDEカードの代わりに1チャネルのWide Ultra2 SCSIカードが装着される。わざわざディスク・インターフェイスがマザーボード直付けではなくカードに実装されている理由の1つは、IDEとSCSIの2モデルを一種類のマザーボードでカバーするためだろう。両方のインターフェイスをマザーボードに直接組み込むのは、コストの上昇を招くからだ(とコンパックは判断したということだろう)。PCIカードではなく専用カードなのは、拡張性確保のため、標準状態で最低1本のPCIスロットを空けておく必要があるからだろう。 |
取り外したIDEインターフェイス・カード |
カード上にはIDEコネクタが2つ、つまりプライマリとセカンダリの2系統のIDEインターフェイスがあることが分かる。これらはハードディスク専用で、内蔵の2台のハードディスクがそれぞれ別々のインターフェイスに接続される。IDEの場合、1本のケーブルに2台のハードディスクを接続すると性能が下がりやすいため、このように設計されたのだろう。なおCD-ROMドライブ用のIDEインターフェイスはマザーボード上に実装されている。 |
IDEコントローラ・チップ | |
古くからIDEコントローラのメーカーとして知られるCMD Technology製のPCI-649(製品情報)が用いられている。Ultra ATA/100対応のIDEインターフェイスを2つ持っており、ホスト側とはPCIバスで接続される。つまり、このIDEカードの形状は独自のものだが、電気的なインターフェイスはPCI互換のはずだ。 |
関連記事(PC Insider内) | |
資料
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1Uラックマウント型IAサーバ:「コンパックコンピュータ ProLiant DL320」 |
IT Market Trend:第2回 拡大するラックマウント型サーバ市場 | |
スケーラビリティの高い1Uサーバ「PowerEdge 1550」 |
関連リンク | |
ProLiant DL320の製品情報 | |
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[ プロダクト・レビュー・スペシャル ] | ||
大量導入向け低価格1Uサーバ「コンパック ProLiant DL320」 | ||
1.1Uサーバの内部をのぞく | ||
2.マザーボードを詳しく観察する | ||
3.ハードウェアの拡張性を探る | ||
コラム:リモート管理用カード「リモートInsightボードLights-Out Edition」 | ||
「PC Insiderの特集」 |
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