最終回
タグ情報をトレースするEPCISを稼働させよう
須永 啓太
イー・キャッシュ株式会社
プロフェッショナルサービス事業部
執行役員
宮田 高司
イー・キャッシュ株式会社
プロフェッショナルサービス事業部
2007年10月23日
いよいよEPCISの動作確認
それでは、これまでの設定のとおりにEPCISが動作しているか確認してみましょう。Webブラウザを起動して、「http://localhost/epcis/index.aspx?prj=MyProject」にアクセスします。
localhostの次に書かれている「epcis」は、インストールを行った際に設定した仮想ディレクトリ名です。また、「prj=MyProject」には、EPCISHelperで設定したプロジェクト名が入ります。
下図のように表示されれば、EPCISの設定は完了です。
図14 EPCISの動作確認 |
RDSC Frameworkで体験するEPCglobal
今回のRDSC EPCISのセットアップの完了で、本連載で解説してきたRDSC Framework for Logisticsのすべてを連携させる準備ができました。連載タイトルどおり、RDSC FrameworkでEPCglobalネットワークを体験してみましょう。
まず、リーダ/ライタをPCに接続し、ReaderHostを起動させましょう。もう見慣れた画面かもしれませんが、RFIDタグをかざすと画面上に読み込まれたタグのデータが表示されます。
図15 EPCタグを読み込む |
すでにこの状態で、読み込まれたタグの情報はリーダ/ライタからALE Serviceを介して、RDSC EPCISまで伝わっています。WebブラウザからEPCISを呼び出し、タグ情報を検索してみましょう。
検索ボタンを押すとタグ情報が参照できます。画面のように、データを参照することができましたか?
図16 EPCをトレースする |
今回解説したEPCISは、EPCglobalネットワークの中心となる存在です。EPCデータをリーダ/ライタから読み込み、EPCISに登録できれば、複雑な流通経路をたどる商品を正確に、そして瞬時にトラッキングすることが可能になります。
また、EPCIS上に格納できる情報は、ユーザーがある程度自由に定義できるため、ロケーション情報に緯度と経度情報を付加すれば、Virtual EarthやGoogle Mapといった位置情報表示サービスとマッシュアップして活用することも可能です。
EPCISの規格自体、まだまだこれからさまざまな形で決まっていくアーキテクチャです。筆者も、制定途上の規格を使用したアプリケーションを業務に適用するには、並大抵の努力ではないことを理解しています。「RDSC Framework for Logisticsを利用することにより、システム導入の一助となれば」と思いつつ、連載を終わりたいと思います。
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Index | |
タグ情報をトレースするEPCISを稼働させよう | |
Page1 RDSC EPCISとは何か? EPCISの構成要素と機能 |
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Page2 RDSC EPCISのセットアップ EPCISをWeb上に公開する |
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Page3 EPCISアプリケーションのセットアップ BusinessRoutingとReaderの設定 EPCISHelperでBusinessRoutingのパラメータを設定 |
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Page4 BizTalk Server 2006へのセットアップ SQL Serverの設定 |
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Page5 いよいよEPCISの動作確認 RDSC Frameworkで体験するEPCglobal |
Profile |
須永 啓太(すなが けいた) イー・キャッシュ株式会社 プロフェッショナルサービス事業部 執行役員 インターネットベンチャー企業などで大手ポータルサイトのEコマースサイト構築におけるプロジェクトマネージャーなどを歴任後、イー・キャッシュ株式会社に入社。 主にRFID システムのコンサルティング業務を担当。実はモノ作りが大好きで、最近プログラミングをまったくできないのが悩み。 宮田 高司(みやた たかし) イー・キャッシュ株式会社 プロフェッショナルサービス事業部 ソフトハウスやインターネットベンチャーなどでシステム開発に従事、その後イー・キャッシュ株式会社に入社。 最近、個人的にトラッキングしている情報は、「WebOS」と「Google Gears」。 |
RDSC Frameworkで体験するEPCglobal 連載インデックス |
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電波法改正によりミラーサブキャリア方式の展開が柔軟になった。950MHz帯パッシブタグはRFID普及を促進できるのか
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