第1回 進むRFID標準化と実証実験
河西 謙治
株式会社NTTデータ
ビジネスイノベーション本部
ビジネス推進部
課長
2006年5月10日
RFID1.5に向けた実証実験の活発な推進
日本におけるRFID分野の大きな特徴として、複数の省庁が予算を確保し、RFIDの普及促進の後押しをしている点が挙げられる。特に、欧米やアジアの国々よりもはるかに広い分野において、多様な使われ方が模索されている。
総務省、経済産業省、農林水産省、国土交通省、厚生労働省などでは、RFIDの技術開発および利用促進を目的として、平成14〜15年度より積極的な予算配分を実施し、累計で30近い実証実験を行ってきた。平成18年度についても同様の施策が実施される見込みである。
【各省庁のRFIDへの取り組み】 総務省 「ユビキタスネットワーク時代における電子タグの高度利活用に関する調査研究会」最終報告 経済産業省 平成17年度電子タグ実証実験 採択案件一覧(PDF) 農林水産省 平成17年度 ユビキタス食の安全・安心システム開発事業 採択団体一覧(PDF) |
このような関連省庁の多さは、実証実験フィールドの多様性を示唆するものである。適用業務では、製造、物流、流通小売り、廃棄物処理といったプロダクトのライフサイクルチェーン全体を網羅するだけでなく、別の切り口として、多様な物品の管理、移動支援や観光案内などの情報提供、防犯やセキュリティなど多岐にわたる。業種という観点で見ても、食品、家電、電機、機械、書籍、CD/DVD、医薬、アパレル、港湾、航空など、非常に広範な分野での実証活動展開がなされている。
表1 官庁予算の主な実証実験 |
一方、民間分野でもIT系のハードウェア/ソフトウェア関連企業はもちろん、商社や物流事業者、流通事業者などユーザーの立場となるプレーヤーが自ら主導的に、数多くの実証実験を実施している。こちらも多様な分野が対象となっており、RFIDへの期待の高さをうかがわせる。
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表2 民間分野の主な実証実験(NTTデータ関連) |
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Index | |
進むRFID標準化と実証実験 | |
Page1 普及期のRFID1.5、来るべきRFID2.0時代に備えよ 活発な2つのRFID標準化 |
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Page2 RFID1.5に向けた実証実験の活発な推進 |
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Page3 バーコードの課題を突破するRFIDの高機能化 |
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RFID2.0時代に備えるRFID入門 連載インデックス |
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