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PCメンテナンス&リペア・ガイド 1. ドライブ・ベイの状態を確認 林田純将 |
前回(第8回 増設前に知っておきたいハードディスクの基礎)は、デスクトップPCで主流のディスク・インターフェイス「IDE(ATA)」の概要や増設時に注意すべき点、およびIDEハードディスクの選択のポイントなど、ハードディスクを増設する前に必要となる知識を解説した。今回は、実際にPCへIDEハードディスクを増設する作業手順を紹介したい。
まずはドライブ・ベイの空きの確認から始めよう
ハードディスクの増設を行う際にまず調べなければならないのは、PCにハードディスクを増設するための空きベイがあるかどうかだ。デスクトップPC用のハードディスクは3.5インチ幅なので、3.5インチのドライブ・ベイに取り付けると、特別な金具などが不要で容易である。3.5インチ・ドライブ・ベイに空きがない場合は、別の手段を考える必要があるし、最悪の場合は増設をあきらめることになるかもしれない(以下のコラム参照)。しかも、3.5インチ・ドライブ・ベイはフロッピードライブなど、IDEドライブ以外のものを収納している場合もあるため、たとえマザーボード上のIDEコネクタやあるいはケーブル上のIDEコネクタに空きがあっても、3.5インチ・ドライブ・ベイには空きがない場合もあるので注意が必要だ。
多くのタワー型PCの内部では、ドライブ・ベイはフロント・パネル側の上から5.25インチ・ドライブ・ベイ、3.5インチ・ドライブ・ベイの順で配置されている(下の写真)。全ドライブ・ベイのうち、いくつかはMOドライブやDVD-ROMドライブなどのリムーバブル・ドライブを装着できるように、メディアを挿入するスリット部分やトレイ部分をフロント・パネルに露出させることができる。これらを「前面アクセス可能ベイ」などと呼ぶことがある。
こうしたベイとは別に、フロント・パネルには露出されないハードディスク専用のドライブ・ベイもある。機器が外部に露出しないことから、こうしたドライブ・ベイは「内蔵ドライブ・ベイ」「シャドウ・ベイ」とも呼ばれる。本連載で使用しているデルコンピュータ製のデスクトップPC「Dimension 4100」の場合、標準搭載のハードディスクは通常の3.5インチ・ドライブ・ベイの下に縦に配置されているシャドウ・ベイに収められている。シャドウ・ベイは、前面アクセス可能な3.5インチ・ベイの下に配置されている場合が多いが、5.25インチ・ドライブ・ベイや電源ユニットの上など、少し探しただけでは分からないところにある場合もあるので、PCのマニュアルなどを見て位置を確認して、空きドライブ・ベイを確認しよう。なお、PCケースの開け方については、本連載の「第2回 PC本体にアクセスしてハードウェア構成を調べる 2. PCの内部を見てハードウェアを確認する」を参照していただきたい。
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内蔵用ハードディスクのIDEとSCSIはよく似ている
こうしたコネクタの違いの詳細については、「資料:ケーブル&コネクタ図鑑」を参照していただきたい。 |
次のページでは、IDEケーブルと各IDEドライブやマザーボードの接続について解説する。
関連記事 | |
第2回 PC本体にアクセスしてハードウェア構成を調べる |
INDEX | ||
[連載]PCメンテナンス&リペア・ガイド | ||
第9回 失敗しないハードディスクの増設方法 | ||
1.ドライブ・ベイの状態を確認 | ||
2.増設ハードディスクが接続可能かチェック | ||
3.ジャンパ設定とドライブ・ベイへの取り付け | ||
4.PC本体への取り付けとケーブルの接続 | ||
5.最後はBIOSやOSレベルでの設定 | ||
「PCメンテナンス&リペア・ガイド」 |
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