Windows 2000 キーワード

Millennium

ミレニアム

デジタルアドバンテージ

 ([追加情報 2000.5.7]以下の記事は、1999年11月時点で執筆、公開されたものである。その後Microsoftは、MillenniumをWindows Millennium Edition(Windows ME)として2000年中に出荷を開始すると公表した。その後のWindows OSのロードマップの詳細については、別稿「Insider's Eye:ベールを脱いだWhistler −− MicrosoftがWinHEC 2000にてWindows製品群の最新ロードマップを公開 −−」を参照のこと)

マイクロソフトがWindows 98 Second Edition(SE)の次バージョンとして開発を進めているコンシューマ向けWindows OSの次期バージョンの開発コード名。OSカーネルはWindows NTではなく、既存のWindows 98 SEを発展させたもので、これがWindows 9xコアを持つ最後のOSになると考えられている。米国では、1999年9月末より開発者向けのベータテストが開始された(BetaNews.ComのWindows 98関連ニュースのページ)。現在のところ、出荷は2000年の夏以降と言われている。

強化ポイント 内容
Easy PCサポート Intel/Microsoftが設立したイニシアティブであるEasy PCをサポートする。ISAデバイスや拡張スロットを排除し、家電製品感覚でPCを使用可能にする
インターネットアクセスの簡易化 PCの未経験者でも、購入してすぐにコンピュータをインターネットに接続し、利用できるようにする
ユーザーインターフェイスの改良@ HTMLベースの新しいシェル(Desktop Ver.2)
ユーザーインターフェイスの改良A パーソナルユーザーを対象としたツール群をActivity Centerに集約。この中には、Photo Center(デジタルカメラで撮影した写真などのカタログ機能)、Music Center(音楽CDやMP3データなどのカタログ機能)、Game Center(ゲーム用の設定自動化ツール)が含まれる
Internet Explorer 6.0 最新バージョンのInternet Explorer
System File Protection システムファイルの保護
自動修復機能 システムファイルが破損している場合には、エラーメッセージを表示するのではなく、自動的にファイルの修復を試みる
Universal Plug and Playサポート 家庭内の情報機器をネットワーク接続するためのUniversal Plug and Playインターフェイスをサポート
ネットワークサポートの強化 マルチサブネットサポート、ワイヤレスネットワーク(IEEE 802.11b)サポート
プロテクトブート PCの起動時間を劇的に高速化する機能(数秒〜十数秒程度といわれる)
DirectX 8.0 ゲーム/マルチメディアソフトウェア用APIの最新バージョン
Millenniumの主要な機能強化点

 Millenniumでは、ユーザーインターフェイスがかなり大幅に改良される予定だ。Millenniumのシェルでは、Activity Centerと呼ばれるパーソナルユーザー向けのツール群が標準で組み込まれる。この中には、Photo Center、Music Center、Game Centerという3つのツールが含まれる。Photo Centerは、デジタルスチルカメラやイメージスキャナなどで撮影(スキャン)した画像をカタログ保存できるツール、Music Centerは、音楽CDやMP3データ、WMA(Windows Media Author)のデータをカタログ保存できるツール、Geme Centerは、ゲームソフトウェア向けの設定を自動化するツールである。ゲームといえば、初心者ユーザーの呼び水のようにも思えるが、高いハードウェアスペックを要求するソフトウェアが少なくないPCゲームでは、グラフィックスやサウンドデバイス、ジョイスティックなどの入力デバイスについて、かなり専門的な知識がないと、正しく設定できないことが往々にしてあった。専門家から見れば、どうということのない設定も、「解像度」や「同時表示色数」などという単語があるだけで、初心者は不安になるものだ。Game Centerは、こうした初心者ユーザーでも、ゲーム向けの最適な設定を自動的に行えるようにするツールである。

 初心者は、勝手がわからないままに、システムの重要な設定を変更してしまったり、重要なファイルを消去してしまったりすることがある。これに対しMillenniumでは、システムの保護機能、システムの復旧機能が追加される模様だ。この1つはWindows 2000にも組み込まれているSystem File Protection(以下SFP)で、重要なシステムDLLなどを不用意な削除などから守る。もう1つは、システムファイルが破損した場合に、これを自動的に再インストールする機能である。これにより、システムファイルが破損していても、従来のエラーメッセージが表示されて、ユーザー自身が必要な措置を行うのではなく、システムが自動的に破損したファイルの復旧を試みる。

 現行のWindows 9xでは、システムの起動時にプラグ アンド プレイ デバイスの検出などを行っている。このため新しいデバイスを追加してシステムを起動すれば、そのデバイス用のデバイスドライバを自動的に組み込めるようになっている。しかし代わりに、起動時にデバイスを走査するため、起動に時間がかかってしまうという欠点がある。マシンの構成や組み込んでいるデバイスにもよるが、Windows 98の起動には、おおよそ数分程度かかるのが普通だろう。

 これに対しMillenniumでは、プロテクトブートと呼ばれる新しい機能により、起動時間を数秒から十数秒と劇的に短縮させるという。このプロテクトブートでは、毎起動時にデバイスを走査するのではなく、あらかじめ設定されているデバイスだけでシステムを起動する。デバイスを走査する時間をなくすことで、起動時間を大幅に短縮するというわけだ。

 更新履歴

【2000.5.7】Windows OSの最新ロードマップへのリンクを冒頭部分に追加しました。



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