運用Windows XP「引越ラクラク」テクニック2.転送ウィザードによって転送される情報 デジタルアドバンテージ |
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システムの構成やインストールしているアプリケーションの種類にもよるが、転送ウィザードを使うことで、およそ以下のような情報を新しいWindows XP環境に移行させることができる。
転送可能な設定の種類 | 詳細 |
Windowsシステムに関する設定 | Windowsテーマ、各種表示のプロパティ、壁紙、デスクトップ設定、フォルダ・オプション、サウンド(各種イベントに対するサウンド設定など)、フォント、マウス(カーソル・イメージ、クリック速度や移動速度、ボタン設定など)、キーボード(リピート速度やカーソル・ブリンク速度など)、ディスプレイ設定、タスクバー・オプション、スクリーン・セーバ、地域の設定(入力ロケールほか)、ユーザー補助など |
インターネット/メール関連の設定 | Internet Explorer([インターネット オプション]ダイアログなどの設定内容)、「お気に入り」フォルダ、Cookie、ダイヤルアップ接続、Outlook Express/Outlookの各種設定・メッセージなどのデータなど。ただしセキュリティ上の理由から、パスワード情報は転送されない |
アプリケーション関連の設定 | Microsoft Office製品はもとより、AcrobatやAOL Instant Messaging(インスタント・メッセージング)、Eudora(メール・ソフトウェア)、WinZip(ファイル・アーカイバ)などの設定内容。ただし転送されるのはアプリケーションの設定情報のみで、アプリケーションの実行ファイル自体は転送されない(これらについては転送処理前にあらかじめインストールしておく必要がある) |
データ・ファイル | ユーザーが作成したと思われる各種データ・ファイル。「マイ ドキュメント」などのフォルダ単位のほか、特定のファイル・タイプを持つファイルなどを転送できる(特定フォルダや特定ファイル・タイプを転送対象に加えたり、転送対象外に指定したりすることも可能) |
「ファイルと設定の転送ウィザード」で転送可能な情報(主要なもの) |
このように、Windowsの各種設定からインターネット関連情報、アプリケーション設定、作成したファイルまで、従来環境を取り戻すためのほとんどの情報を転送できることが分かる。ただしアプリケーションついては、転送されるのは設定情報のみで、アプリケーションの実行ファイル自体は転送されない。転送ウィザードによって、アプリケーション環境を移行するには、まず転送先のWindows XPにアプリケーションをインストールしてから、転送ウィザードを使ってアプリケーションの設定情報を上書きする必要がある。
なお、原稿執筆時点(2002年2月)において、日本語版のサポート技術情報には該当するものがないが、英語版技術情報としては、転送ウィザードがサポートするアプリケーションの名前とバージョンを一覧にしたものが公開されていた(転送ウィザードが対応するアプリケーション/バージョンを一覧にしたサポート技術情報[英語])。
転送元はWindows 95以上のWindows環境、転送先はWindows XPのみ
誤解のないように述べておくと、転送ウィザードは、あくまで従来環境からWindows XPに環境を移行させるツールである。従って転送先として指定できるのはWindows XP Home EditionまたはProfessionalに限られる。一方の転送元としては、Win32 APIをサポートするWindows OSが利用可能で、具体的にはWindows 95以上のWindows環境ということになる。これらをまとめると次表となる。
転送元として利用可能なOS | 転送先として利用可能なOS |
Windows 95 Windows 98 Windows 98 Second Edition Windows Me Windows NT 4.0 Windows 2000 Windows XP Home Edition Windows XP Professional |
Windows XP Home Edition Windows XP Professional |
転送元、転送先として利用可能なWindowsバージョン |
Windows XPのインストールCDに付属する転送ウィザードには致命的なバグが
Windows XPをインストールすると、[スタート]メニューの[すべてのプログラム]−[アクセサリ]−[システム ツール]メニューに[ファイルと設定の転送ウィザード]のアイコンが存在しており、Windows XPではこのアイコンからウィザードを起動できる。これ以外のOSでは、Windows XPのインストール用CD-ROMに収録された転送ウィザードのプログラムを利用可能だ。ただし原稿執筆時点(2002年2月時点)で流通しているWindows XPのパッケージに収録された転送ウィザード・プログラムには、次のような致命的なバグが残っていることがサポート技術情報などで報告されている(この件に関するマイクロソフトのサポート技術情報)。
- 転送が完了しないうちにファイルと設定の転送ウィザードが終了する。
- ユーザー設定またはシステム設定が期待どおりに転送されない。
- デスクトップ上に作成されたアイコンが正常に動作しない。
- Microsoft Outlook Expressのアカウント情報が失われる。
- Outlook Expressで新規作成したメール・アカウントが、古いアカウントで上書きされる。
- Outlook ExpressとOutlook 2000がアドレスブックを共有していると、
- Outlook ExpressとOutlook 2000の設定が転送されない。
- Windows 95、Windows 98、Windows Meベースのコンピュータで、Outlook Expressのメッセージ・ストアを開いたままでファイルと設定の転送ウィザードを実行すると、メッセージ・ストアが破損する。
転送が正しく行えないばかりでなく、条件によっては、メール・ボックスが破損するなどの致命的な問題を発生する可能性があることが分かる。すでにこの問題を解消したプログラムのアップデート版がWindows Updateに登録されているので、そちらを使うようにしよう。
関連リンク | |
転送ウィザードが対応するアプリケーション/バージョンを一覧にしたサポート技術情報[英語] | |
サポート技術情報:「ファイルと設定の転送ウィザードを実行しても転送が行われない 」 |
運用 |
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