実践! XMLアプリケーションサーバ「BXS」
.1. Baykit XML Serverとは
Baykit XML Server(以下BXS)は、「横浜ベイキット」の手によるフリーのWebサーバです。完全にJavaで記述されており、ServletAPI 2.2およびJava Server Pages(JSP) 1.0に準拠したJava Servletコンテナとして機能します。こう書くと、同じくJavaで書かれている他のWebサーバ(TomcatやJigsawなど)とどこが違うのかという疑問がわいてくるかと思います。そこで、以下にその特徴を簡単に書き並べてみましょう。
- XML専用アプリケーションサーバである
- 日本人の手による日本人のためのフリーWebサーバである
- インストール&設定が容易
これらの特徴を1つずつ順に見ていきましょう。
■ XML専用アプリケーションサーバである
まず、「XML専用アプリケーションサーバである」とはどういうことなのでしょうか? 通常、WebサーバでXML文書を処理するためには、CGIなりサーブレットなり、XMLとXSLTを処理するためのモジュールを別途インストールする必要があります。しかしBXSは、XMLを処理するためのいくつかのモジュールがWebサーバ機能とともに最初から組み込まれており、特別な設定をすることなくXML文書を処理することができます。
■ 日本人が作成したフリーウェア
次の、BXSが「日本人の手によるフリーウェアである」という点は非常に重要です。Tomcatなどのソフトウェアは英語圏でリリースされていることが多く、ドキュメントや、メーリングリストで行われる議論などは基本的に英語がベースです。どんな面白いソフトウェアでも、ちょっとした疑問を調べたり質問したりするのが英語だとなると手が出にくくなるものです。特にインストール手順の説明が英語である場合、うまく動かない原因が英語の読解力不足なのか本当に何かトラブルがあるのか判断できないという困った事態になりかねません。その点、BXSは開発者が日本人なので、ドキュメントは日本語ですし(当然!)、メーリングリストでのディスカッションやリクエストも日本語で気楽に行うことができます。
■ インストールが簡単!
最後になんといっても、BXSはインストールが簡単です。サーバプログラムではありますが、JRE(Java Runtime Environment)が利用できる通常のPCに手軽にインストールできます。サーバプログラムだけあって多数の設定項目がありますが、とりあえず動作させるだけなら可能なかぎり簡単に設定できるように配慮されているのもポイントです。あとで具体的な設定の例をお見せしますが、手を入れなければならない設定の項目の数はわずかです。
設定が簡単でPCにすぐインストールでき、しかもそのままでXMLの文書を取り扱える。XMLやXSLTを勉強したいけれど、今ひとつ敷居が高くて……BXSはそんな方に最適でしょうか。
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「2. インストールしよう」 |
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