実践! XMLアプリケーションサーバ「BXS」

2. インストールしてみよう

 では実際にBXSをインストールしてみましょう。ここで紹介するインストールの手順の大まかな流れは以下のようになります。

  1. Java の実行環境を確認する
  2. アーカイブを展開する
  3. ポート番号の設定
  4. ドキュメントルートの設定

 まず最初にJavaの実行環境が適切にインストールされているか確認します。インストールしようとしているプラットフォームに対して適切な実行環境がインストールされている必要があります。8月15日現在、動作が確認されている環境は以下に挙げるとおりですが、これ以外はまったく動作しないというわけではありません。読者の方でこれらとは異なる環境で動作させることができた方はbxs@baykit.orgまで報告されるといいかもしれません。

JDK OS
1.2.2 RedHat Linux 6.1J
Windows 95
Windows 98
Windows NT
Windows 2000
Solaris 2.6
1.3 Debian GNU/Linux 2.2
Solaris 2.6
Windows 98
Windows 2000

 コマンドプロンプトもしくはシェルでjavaコマンドが実行できるか確認しておいてください。これが確認できたら次はインストール先のディレクトリを決めます。ディレクトリは基本的にどこでも構いませんので、プラットフォームの慣習等に従って適当に決めてください。以降ではLinuxとWindowsでのインストール例について述べますので、ここでは次のように決めておきます。

Linux
/usr/local
Windows
C:\Program Files

■ アーカイブの展開

 インストールするディレクトリに移動してから、BXSのアーカイブをjarコマンドで展開します。BXSのアーカイブは横浜ベイキットから入手可能ですが、ここではそこで入手したVer.0.9.10bのアーカイブ(bxs-0_9_10b.jar)を例にとって説明します。アーカイブはインストールするディレクトリに格納してあるものとします。

Linuxの場合

$ cd /usr/local
$ jar xvf bxs-0_9_10b.jar


Windowsの場合

> cd "C:\Program Files"
> jar xvf bxs-0_9_10b.jar

 展開するとbxs_0.9.10bというディレクトリができているはずです。確認できたら、設定に進みましょう。展開されたディレクトリの下にconfというサブディレクトリがあるはずです。さらにその下にあるsystem.xmlというファイルがBXSの設定ファイルになります。

■ ポート番号の変更

 このファイルをエディタで開き、以下のようなポート指定を行っている個所を探し出してください。

<connector port="8080" protocol="http"/>

 ApacheなどのHTTPサーバは通常、80番のポートを用いています。Webブラウザも何も指定しなければポートは80番と仮定しますから、これから動かすこのBXSも80番のポートを使用するように変更しておきましょう。

<connector port="80" protocol="http"/>

もちろん、既にApacheなどを動かしているのであれば、別の適当なポート(例えば8080番など)を指定する必要があります。さて、これでとりあえず起動できる準備は整いました。

■ BXSを起動する!

 同じbinディレクトリにある起動スクリプトを用いてBXSを起動してみます。

Linuxの場合

$ bin/bxs


Windowsの場合

> bin\bxs.bat

 無事起動すれば、画面1に示すようなメッセージが出ているはずです。

画面1 BXSの起動画面(Windowsの場合)

 ここでは誌面の都合でWindowsでの例のみ示していますが、Linuxでも“bxs-home: …”の部分以外はほぼ同じ出力が出ているはずです(以下では、特にことわらないかぎりスクリーンショットはすべてWindowsのものになりますので注意してください)。起動を確認できたら、以下のURLをWebブラウザでオープンしてみてください。

http://localhost/

 画面2に示すような画面が出ればOKです。BXSはめでたくWebサーバとして機能しています。

画面2 BXSにWebブラウザからアクセスしたときに表示されるサンプルのルートページ

■ XML文書も表示してみる

 この画面が確認できたら、次はXMLのサンプルを確認してみましょう。以下のURLをオープンしてください。

http://localhost/demo/xml/hello.xml

 画面3に示すような画面が出ていますか? Webブラウザでソースをオープンしてみれば確認できますが、Webブラウザに送信されているのは、サーバ側でHTMLに変換されたファイルです。

画面3 XMLのサンプル表示

 XMLのサンプルを確認できたところで、BXSのインストールはとりあえず完了です。インストールしたディレクトリの下にwebapps/rootというサブディレクトリがあるかと思いますが、そこがBXSが参照する文書の置き場になります。

 この置き場所は、先ほどのserver.xmlの中の

<application name="default"
context-path="/"
document-base="&bxs-home;/webapps/root"
log="false"
reload="never"
input-encoding="JISAutoDetect"
output-encoding="EUC-JP"/>

 という個所で変更可能ですが、とりあえず今はこのままにしておきます。読者の皆さんも勉強がてら、XMLやXSLTのファイルをこのディレクトリの下に作成し、いろいろと試してみるといいでしょう。

 では、準備ができたところで、実際にXMLでWebページのサンプルを書いてみることにしましょう。

コラム 横浜ベイキットとは?


 Baykit XML Server(BXS)を開発している「横浜ベイキット」は、今年3月に立ち上がった、XML 関連のオープンソース・ソフトウェアを公開するサイト。日本人のボランティア団体が運営しており、「コミュニティを持った、フリーソフトの開発」を目標にしている。BXSもその目標を目指して開発されたソフトウェアの1つだ。運営担当者は、BXSに対するさまざまなコメントや改良などを歓迎しているので、ぜひ読者の方もコミュニティに参加してみてはいかがだろうか。

横浜ベイキットのホームページ(http://www.baykit.org/)

 

「3. XMLのサンプルを表示させてみる」

Index
実践! XMLアプリケーションサーバ「BXS」
第1回 XMLでWebサイトを作ろう
  1. Baykit XML Serverとは
2. インストールしよう
  3. XMLのサンプルを表示させてみる
  4. XMLでWebページを作ろう
第2回 XSTLによるダイナミックな変換の実際
  1. データの内容に基づいた表示の加工
  2. さらにXSLTスタイルシートを改良
  3. Webブラウザ別のスタイルシートを用意
  4. Webブラウザごとに出力を切り替える

 



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