ビジネスインテリジェンスを開放する、SASの分析アプリ
2001/7/25
SASインスティチュート ジャパンは7月24日、本社で会見を開き、ビジネス用分析アプリケーションソフト「Enterprise Guide バージョン1.2日本語版」の出荷を9月末から開始すると発表した。SASでは初年度導入数を2000ユーザーと見込んでいる。
Enterprise Guideの画面例(クリックで拡大) |
Enterprise Guideは、社内外に分散して存在するさまざまな形式のデータにアクセスし、これを加工・分析して、レポートやグラフ、OLAP分析(多次元分析処理)などを行うソフトウェア。
同製品はシンクライアント向けアプリケーションで、SASモジュールなしにSASシステム V8eがサポートするすべてのデータタイプにアクセスすることができる。分析エンジンもサーバ側にあるものを活用する。異なるプラットフォームに分散する複数のデータを使用して、統計解析処理、データ加工(クエリー作成、MDDB作成など)、集計、レポートやグラフの作成、OLAP(多次元分析処理)などの操作をシングルビューで行うことができる。作成したグラフをHTML出力して配信した場合、ブラウザを通してユーザー側でのグラフ種類などの変更も可能。さらにレポート結果をMicrosoft WordやPowerPointなどへ貼り付けたり、データや分析結果をExcelにエクスポートしたりすることもできる。
想定されるユーザーはITの専門家ではないビジネスマネージャ。例えば頻繁にダイレクトメールを発送・発信するマーケティング担当者が、顧客データのセグメンテーションや絞込みを行ったり、異なるデータソースからレポート作成などで威力を発揮するという。
米SASのマーク・ター氏 SASでは“インフォメーションエニウェア”を推進していくという |
米SASインスティチュートのSAS Web、ワイヤレスおよびインテグレーションソリューション戦略担当のマーク・ター(Mark Torr)氏は、「現在、各企業はインテリジェンスが必要なのは認識しているが、基本的なところでつまづいている。欲しいインテリジェンスが入手できない、作り出せない、入手できてもタイミングが悪い、コストが高くて投資効果が得られないなどだ」と現状を述べた。
「今回発表したEnterprise Guideと、7月17日に発表しているAppDev Studio 2.0とともに、“インフォメーションエニウェア”と呼ぶ概念を推進する。Enterprise Guideは、ビジネスの分析をする立場の人を対象にビジネスインテリジェンスにWindowsのインターフェイスを与えるもので、AppDev Studioは開発者向けのスィート製品である。これらを既存の社内システム上に置くことで、カスタマー/サプライヤー/社内組織のインテリジェントが使えるようになる。インテリジェンスをもたらすアーキテクチャにとって重要なのは、ソリューションの統合はもちろん、データソース、運用システムの統合が重要。これを最大限の投資効果で実現することができる」と強調した。
SASインスティチュート ジャパンのマーケティング本部本部長の安藤秀樹氏は、「米国でも、情報を分析しインテリジェントを手に入れているナレッジワーカーの割合はまだ25%。日本ではさらに低いと思っており、もっとビジネスインテリジェンスを多くのユーザーに開放していきたい。まずは通信、金融業界にアプローチしていきたい」と語った。
また同日、SASシステム V8eに加わる形でSAS Integration Technologiesソフトウェア バージョン8.2が8月末より出荷されることも発表された。
Enterprise Guideソフトウェア バージョン1.2は、価格が25万1000円から(5ユーザ)で、出荷は2001年9月末の予定。SAS
Integration Technologiesソフトウェア バージョン8.2は、価格が73万5000円からで出荷は2001年8月末の予定(価格はすべて初年度年間ライセンス)。
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