サンが収益予測を下方修正、日欧市場での弱さが原因?

2001/9/1
By Mary Mosquera, InternetWeek Aug 30, 2001 (2:00 PM)

 サン・マイクロシステムズは第1四半期、予測収益額に達することが難しくなってきたようだ。その原因は、欧州と日本地域でのセールスが好調でないからだという。だが、アナリストによれば、新しいハイエンド製品が今期の見通しに近づけてくれる希望もあるという。

 サンが8月29日に示唆した第1四半期の中間期アップデートは、エンタープライズでのIT投資が引き続き鈍化していることを強調したものとなった。同社の経営陣のコメントから、サンが9月30日で終了する第1四半期も赤字を計上する可能性は高くなった、とアナリストは見ている。翌23日、同社の株価は大きく値を下げた。

 サンは、「37億ドルの予想収益額に達しない見込みだ」と発表した。37億ドルは損益分岐点にあたる額だ。だが、同社は12月に終了する第2四半期には、注目に値する向上を見込めるとしている。

 同社CFO Mike Lehman氏は、米国以外の市場での注文は予想通りで、米国市場だけが、前四半期より低めに設定した予想額よりわずかに下回ったとした。

 同社の新製品「StarCat」は、900MHz CPU搭載のハイエンド向けストレージ製品。メリルリンチのアナリスト Tom Kraemer氏は、この新製品がサンを救う可能性があると見ている。そうだとしても、今期は同社始まって以来の厳しい年となりそうだ。「サンのコメントを聞いて、投資が再び活発になるとは思えないし、多くの企業で投資額を再び下げる必要があるとも思えない。需要はまだ低く、それが問題なのだ」とKraemer氏。

 Kraemer氏によれば、「欧州と日本の市場における需要は軟調で、米国市場は固いが活力を失っている状態。欧州と日本におけるセールスの弱さは、米国市場にも影響を与えかねない」という。フォーチュン500社の購買の動きは未だに遅く、新たに何らかのプロジェクトを組む動きはほとんど見られないという。さらに、恒例の政府による年末に向けた投資の波が、今年は例年より遅れているという。

 「サンがレイオフやリストラといった対策を講じる可能性は、かつてないほど高い。同社の動きに注目する必要がある」とKraemer氏はいう。サンは世界に4万3000人の従業員を抱えている。

 サンのCFO、Lehman氏は、同社がR&Dへの投資額を削減するつもりはないとしている。同社はR&Dとプロフェッショナル・サービス分野で、厳選して人材を雇用している。これまでのところ、人員の自然減により従業員数が500人減少したという。

[英文記事]
Sun Cuts Revenue Targets

[関連リンク]
サン・マイクロシステムズ

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