KM技術を活用した企業情報ポータル、ジャストシステム

2001/12/7

 ジャストシステムは12月6日、同社のテキストマイニングシステムなどのテクノロジをベースとしたパッケージ製品とサービス事業により、企業情報ポータル(EIP)市場に本格的に参入することを発表した。

 今回ジャストシステムが発表したパッケージ製品は、「CB エンタプライズ・ナレッジポータル」と、「CB FAQ ナレッジ・ポータル」の2製品。「CB エンタプライズ・ナレッジポータル」は、社員が社内の情報共有を行いやすくするためのパッケージ製品で、「CB FAQ ナレッジ・ポータル」は、顧客が製品やサービスの情報を得たり、活用できるようにするパッケージ製品。

 これまで、EIPを構築する場合、“ゼロ”からシステムのコンサルティング、設計、構築を行う必要があったが、同社のパッケージを導入することで、実際の導入・運用までの期間を短縮でき、価格も大幅に安くできるという。

ジャストシステム 事業推進室長 松田潤氏。まだSIにもテキストマイニングを利用したナレッジマネジメントシステムのノウハウは足りないという

 ジャストシステムの事業推進室長 松田氏は、テキストマイニングを利用したナレッジポータルを構築する際に、現在まだまだ難しい点があることを指摘する。それは、「何がナレッジかを定義し、それをどうやって使えばいいのか?」といった基本的なこと。現在は、導入したい企業にコンサルティングを行う必要があるという。しかし、今回のパッケージ製品を利用すれば、代表的な分析例を「ナレッジ・マップ」として用意することで、その分析過程の約8割を省略することができるようになるという。

 同社が同時に発表したサービス事業だが、具体的になサービスとしては、業務システムのコンサルティング、設計・構築・保守サービス、分析・評価コンサルティングなどを考えているという。

 こうしたサービスを同社が行う背景には、システムインテグレータ(SI)のノウハウ不足の問題があるという。松田氏は、「企業システムの構築に先立ち、業務分析を行い、どのような結果が欲しいかを決め、それに基づきどんなデータを入力するかを決める。しかし、これまでのデータは数値が中心だった。しかし、ナレッジマネジメントでは、それがテキスト(文章)になる。しかし、その場合の分析方法や要件定義について、まだSIのノウハウが不足している」のだという。

 同社では、こうしたパッケージ製品やサービス事業により、ConceptBase関連事業で2001年度で見込んでいる30億円の売り上げを、2004年度には100億円にしたいという。

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ジャストシステムの発表資料

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