自社のWebサイトの性能を知るために(1)
2002/1/30
January 2, 2002 InternetWeek
By Lenny Liebmann
企業のビジネスのWebサイトへのシフトが強まりつつある。サイト上の多機能なアプリケーションは売上高や顧客やパートナーとのリレーションシップを推進してくれるが、このような複雑なアプリケーションの運用は、課題が多い。技術担当マネージャはパフォーマンスを正確に監視する(そして迅速に問題を突き止める)手段を見つけ出す必要に直面している。
現状では、企業が社外のサイトモニタリングサービス、社内の診断ツール、そして社内外の多くの共同作業を併用して活用しているケースが多い。Webアプリケーションのパフォーマンス管理は容易な作業ではないのだ。
ファイアウォールの内と外でパフォーマンス監視を実現
米America West Airlinesでは、自社のWebサイト上で航空券の販売や最新フライト情報の提供を行うほか、カスタマーがマイレージポイントをチェックできるサービスも提供している。同サイトでは、最新のセキュリティポリシーや空港までの最短所要時間をチェックできるなど、基本情報コンテンツでさえも非常に重要な意味を持っている。
同社インターネット流通ディレクターのTom Trenga氏によると、同航空会社では米Keynote Systemsのサイトモニタリング製品を使い、エンドユーザーの視点からパフォーマンスのトラッキングを行っているという。Webサイトのレスポンスタイムが特定の値を超えた場合は、Trenga氏もしくは同氏の部下に緊急連絡が入り、その問題に関する基本的な情報が伝えられる。
Trenga氏は、Keynote製品をリアルタイム警告やサイトのパフォーマンストレンド履歴収集用として有用であると評価する。だがその一方で、その限界も認識している。例えば、Keynoteは重要度の比較的低い画像の表示が多少遅れるといった問題でも、ページのパフォーマンス低下として通知してくるからだ。「(このようなことも)もちろん必要な情報だが、カスタマーに影響を与えるような重要な問題ではない」とTrenga氏は語る。
Keynoteのようなサービスが抱えるもう1つの欠点は、管理者がコントロールできないインターネットの問題にも反応を示すことだ。そこでAmerica Westは、Keynote定期サービスを補完するため、米Tonic Softwareのファイアウォール内診断ソフトウェアも導入した。Tonicのサービスは、システムで特定の問題を検知した場合にアプリケーションの自動停止や再起動を行うなどの機能を提供する。
さらに重要なのは、Tonicが個々のトランザクションと多段階のオンラインプロセスの両方を模倣するスクリプトを作成できる点だ。これらの「人工的な」トランザクションやプロセスの完了に要する時間を監視することで、カスタマーが体感している状況や、アプリケーションのどこにボトルネックが発生しているのかを一段と明確に把握できるようになった。
自社Webサイトに各種機能(クレジットカードの承認、ニュースフィード、地図など)を追加する際、社外パートナーに頼る企業が増えつつある。この場合、特に重要となるのが、人口的なトランザクションを使ってボトルネックを正確に特定するこのような機能だ。企業サイトが自前のサーバやネットワークのハードウェアによって完全にサポートされていれば、社内のインフラ管理や監視ツールによって潜在的な問題に関する情報がITスタッフに伝わる。だが、サードパーティがサイトの重要な機能を提供する場合は、社内のツールでは社外プロバイダに起因する問題を指摘してはくれない。
America Westでは米GetThere(米Sabreの一事業部、ほかの航空会社にもサービスを提供している)のサービスを利用して、自社サイトのバックエンドアプリケーションの運用管理を行っている。だが、GetThereのサーバを直接管理することができないため、GetThereのパフォーマンス監視に関してはKeynoteやTonicに頼っている。
GetThereは、カスタマーがオンライン航空券購入の際に必要な4つの手順のうちの3つを提供している。Trenga氏は、パフォーマンスの欠陥を検知するとGetThereに連絡し、問題に対応してもらっている。
Trenga氏によれば、トランザクションスクリプトを活用している企業では、変更への対策が必ず必要になるという。そこで、Tonicのような社内ツールセットが便利になってくるのだ。「まずスクリプトの変更をだれかに依頼し、それから出来上がったスクリプトが実際に必要な処理を実行しているかどうかを検証する。これにはかなりの時間を要する」(Trenga氏)。
*この記事は3回に分けて掲載しています。((2)を読む、(3)を読む)[英文記事]
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