HP、複数のストレージを仮想化できるアプライアンス

2002/5/9

SANストレージ仮想化アプライアンス製品の「hp storageapps sv3000」

 日本ヒューレット・パッカードは5月8日、SANストレージ仮想化アプライアンス、「hp storageapps sv3000」を発表した。同製品は6月1日より受注を開始し、6月中旬より出荷する。

 現在、大規模システムではサーバからストレージを分離し、SANやNASなどでストレージを構成する環境に徐々に移行しつつある。その場合の課題は、異なるOS、異なるストレージ環境での相互接続性、SANやNASなどのストレージ環境をどのように統合し、集中管理するか(さらには離れた地点にあるストレージ管理も含む)、また、大規模なストレージを自由に組み合わせて割り当てることで、現在あるストレージ空間を有効に利用できるか、といったことにある。

 HPもこうした課題を克服するため、昨年同社独自のストレージ管理のフレームワークである「FSAM」(Federated Storage Area Network:エフサム)という技術ビジョンを提唱した。FSAMは、複数のサーバ、プロトコル、デバイスなどを仮想化して1つの共通な管理環境を提供することで、ストレージの管理コストの低減を狙った同社独自のビジョンだ。

 今回同社が発表したhp storageapps sv3000も、FSAMに基づいた製品となる。同製品は、ヘテロジニアスな環境(OS環境、ストレージ環境)において、複数かつ異機種のサーバに対して、複数かつ異機種のストレージデバイスをネットワーク化し、仮想ストレージ・プールを提供できる。これらは、1つの論理的なリソースとして管理できるため、デバイスを組み合わせることで、自由なストレージ空間を割り当てることができる。

 hp storageapps sv3000は、二重化された2つの専用サーバ(1.26GHz Pentium III×2、1GB PC133 ECC SDRAM搭載)とディスクで構成されるネットワーク・アプライアンスで、独自のSAN.OSを搭載している。同製品は1台で最大4096のLUNと256のHBAをサポート。同社がサポートするストレージデバイスとサーバOSは、次の表のとおり(ストレージは、オプションでサポートするデバイスを含む)。

サポートするストレージデバイス
hp surestore xp512、xp48(なお、xp1024、xp128は今後対応する予定)
hp surestore va7400、va7000
EMC CLARiX FC4700
EMC Symmetrix 8000
Compaq StorageWorks EMA12000、MA8000
LSILogic MetaStor E4400
IBM TotalStorage FAStT500
DELL PowerVault 650F、660F

サポートするサーバOS
hp-ux(HPサーバ)
SolarisU(Sunサーバ)
Windows NT、Windows 2000、Linux(HP、Compaq、DELLサーバ)
AIX(IBMサーバ)

[関連リンク]
日本ヒューレット・パッカード

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