シスコ、標準でノンストップIPサービスを実現
2002/5/25
シスコシステムズは5月24日、ネットワークの冗長性を高め、ノンストップIPサービスを実現するソリューション「Globally Resilient IP(GRIP)」を発表した。GRIPでは、xSPからユーザー企業までのEnd-to-EndでのSLA(Service Level Agreement)向上を、複数レイヤにまたがったプロトコル技術の拡張で実現している。GRIPの主要機能は、同社製ルータOSのIOSの標準アップグレードとして、順次提供されていく予定だ(リリース時期の詳細は下記の表を参照)。
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表1 Cisco GRIP各要素の対応プラットフォーム(Ciscoルータの型番)とリリース時期(上段が出荷時期、下段がIOSバージョン) |
GRIPは、下記の4種類の障害回復(Resilient)技術から構成されている。
●Resilientリンクレイヤ
「Stateful Switchover(SSO)」機能により、レイヤ2におけるリンクのステート情報を維持したまま、アクティブ側のプロセッサからスタンバイ側のプロセッサに切り替えることができる。これにより、レイヤ2リンクのリセットによる再立ち上げを防ぎ、復旧時間の大幅な短縮が可能になる。ATM/フレーム・リレー/PPP/MLPPP/HDLC/イーサネットなどに対応。
●Resilientルーティング
「Non Stop Forwarding(NSF)」により、ルーティングにおいて障害が発生しても、IPパケット転送を引き継ぐことができる。これにより、パケット・ロスなどを防ぎ、結果としてユーザー・トラフィックを保証することが可能である。SSOとNSFを組み合わせることで、End-to-EndでのIPパケット転送が保証されることになる。
また、Resilientルーティングにおいては、障害発生時にBGPやOSPF/IS-IS、マルチキャストなどで経路の再構成を高速化する「BGP Convergence Optimization」「Incremental SPF Optimization」「Multicast Sub-Second Convergence」といった技術も用意されている。
●Resilient MPLS
「Fast Reroute」により、MPLSネットワーク内で障害が発生した場合、高速にう回路を設定することが可能。
●Resilient IPサービス
「Gateway Load Balancing Protocol」により、企業〜ISP間の回線での冗長化と負荷分散を同時に実現する。同様の機能を実現する標準仕様にVRRPがあるが、こちらは回線を二重化しても通常時は片側しか使用されず利用効率が低い。Gateway
Load Balancing Protocolでは、バックアップ側の回線も負荷分散用に使用できるため、信頼性を高めつつリソースの効率利用が可能となる。このほか、障害発生時にNATやIPSecのセッションを維持したまま別のルータに処理を引き継ぐことを可能にする「Stateful
NAT」「Stateful IPSec」という技術も用意される。
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シスコシステムズの発表資料
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