企業研修の定番ソフトの地位を狙うシステム・テクノロジー・アイ

2002/7/13

 システム・テクノロジー・アイは7月11日、資格取得のための学習ソフトウェア「iStudy」シリーズの新製品と、同社の今後のeラーニング戦略を発表した。

 iStudyの新しい仲間に加わるのは、TOEIC(Test of English for International Communication)受験のためのソフトウェア「iStudy for TOEIC」で、価格は6000円。さらに、シスコシステムズの改定されたCCNA試験に対応した学習ソフトウェア「iStudy for Cisco 640-607 CCNA」(1万8000円)と、シスコのルータをシミュレート可能なソフトウェア「iStudy Simulator for Router」(2万5000円)。発売は7月下旬〜8月上旬に開始する。

システム・テクノロジー・アイ 代表取締役 松岡秀紀氏 「これからが、当社にとって第2ステージに」と語った

 同社は、3年前に学習ソフトウェアのiStudyシリーズを投入し、現在では全16シリーズ、71製品までラインナップを拡大してきた。さらに昨年に開始したiStudyのインターネット版の「@iStudy」も順調に会員を増やし、現在の会員数は4万8000人、月間180万PVを誇るまでになってきたという。こうした戦略によって、同社のiStudyは、PCだけでなくWeb、さらには携帯端末でも学習できるように発展してきた。

 そんな中で今後同社が力を入れるのは、これまで行ってきた個人向けではなく、企業や教育機関などを対象とした「iStudy」のライセンスビジネス。同社が持つコンテンツを一定期間、自由に選択できるeラーニングの総合ライセンスだ。

 iStudy Enterprise Licenseは、まず同社のコンテンツ(学習ソフトなど)を利用したい企業が一定のユニットという単位(最低300ユニットで、30万円)を購入し、従業員の希望などから利用したいコンテンツを選択し、一定のユニットを購入したユニットから支払うもの。具体的には、「iStudy for Oracle Master Oracle9i DBA I」であれば、使用期間が180日間のものならば13ユニット。「iStudy for Cisco CCNP2.0 Switching(640−504)」であれば、使用期間が180日間で17ポイント。ユニットの使用期間は1年間。

 利用できるのは、「iStudy PC(90日間/180日間」「@iStudy(90日間)」「iStudy Anywhere(PC+Webで90日間)」、それに従業員のスキルをチェックできる「アセスメント(Webのみ)」。また、途中で資格制度が変更となり、iStudyもそれに合わせて改定されると、そのiStudyも利用できる(すでに学習を開始している場合は新しいコンテンツを利用すると、新たなユニットが必要となる)。

 システム・テクノロジー・アイの代表取締役社長 松岡秀紀氏は、「こうした内容のライセンス形態は業界初。従来と比べて低価格で購入できる」と強調する。

 また、同社は富士通ラーニングメディアと提携し、富士通ラーニングメディアのeラーニングプラットフォーム「I-Navigware」に対応したイントラネット版を、7月下旬より販売を開始する。

 同社のこうした戦略は、「ITエンジニアの標準学習ツール」(松岡氏)となったことで、持っているコンテンツを最大限に活用しようという、同社の第2ステージへ向けた戦略だ。これまでも企業向けのサービスやライセンスを行っていたが、今後はそれを戦略的・組織的に進めようという表れ。eラーニング市場の上昇気流をしっかりとつかんだ同社は、今後企業の研修制度などでの“定番ソフト・サービス”の地位に照準を合わせたようだ。

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