今年上半期のPC出荷は15.1%減、企業向けは来年復調

2002/10/16

 IDC Japanは今年上半期(1-6月)の国内PC市場の出荷台数が昨年同期比15.1%減の680万4510台だったと発表した。当初の予想よりは若干上向きの結果で、IDCでは「今年下半期からプラス成長に転じる」と見ている。

 調査は家庭向け、企業向けのPC出荷台数を合算した。家庭向けは昨年のWindowsXPの発売で今年に入って回復傾向にあったが、上半期にベンダの多くがメモリ価格の上昇などでPC販売価格を値上げしたことなどが裏目に出て、回復が遅れた。しかし、下半期はベンダが一転して価格を値下げする傾向にあるほか、タブレットPCの発売が予定されていることから、IDCでは「実際の市況は確実に回復に向かっている」とみている。

 企業向けは「2002年に入って落ち込みが激しくなっている」とIDCは分析。厳しい経済環境で投資抑制が続いていることと、金融や官公庁などが過去1、2年に大規模な導入を行ったことの反動から減少が続いているという。IDCジャパンのシニアマーケットアナリスト 新行内久美氏は「加えて景気低迷のさらなる長期化がマイナス要因となっている」と、企業がPC購入を抑えている理由を説明した。

 一方、新行内氏は「ドットコムバブルがはじけた2000年から2年がたち、企業のリプレイスの先延ばしにも限界がある」として、「一部の大企業で今年に入ってからPCのリプレイスが広がっている」と成長の兆しが見えているとの認識を示した。

 これらの要素からIDCは今年下半期のPC市場を全体で4.7%の成長と予測。特に家庭向け市場は10.4%の成長率で、PC市場全体を引っ張るという。新行内氏によると下半期の企業向けPC市場は「ほぼ横ばい」。企業向けPC市場が本格的に上向いてくるのは「リプレイスの傾向がはっきりしてくる来年から」と予測している。

 家庭向け、企業向けPCのベンダ別シェアではNECが22.6%でトップ。富士通が19.4%で2位。家庭向け販売がほぼすべてのソニーが12.6%で3位に入っている。東芝が7%で4位。シェア6.6%で、5位のデルコンピュータは「じわじわ上げている」(新行内氏)という。家庭向けを縮小している日本IBMがシェアを下げて(6.1%)、6位だった。

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IDCジャパン

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