お金を掛けずに最先端技術を提供、日本SGI
2005/3/2
日本SGIは3月1日、同社が主催するイベント「日本SGIソリューション・キュービック・フォーラム 2005」の開催にあわせて記者会見を開き、日本SGI 代表取締役社長 和泉法夫氏が同社の展望や戦略を語った。
日本SGI 代表取締役社長 和泉法夫氏 |
日本SGIは米SGIの日本子会社として1987年に設立されたが、2001年にNECとNECソフトとの間で資本出資を含む戦略的提携を締結し、現在出資率は米SGIが40%、NECが40%、NECソフトが20%となっている。科学技術計算用サーバや自動車の設計/解析などのエンジニアリング分野に強みを持ち、2月28日にはセンサーで歩行者が目の前を通行するとモデルの動きを再現するマネキンロボット「Posy」などを開発している。
和泉氏は日本における常時接続環境の普及を「最大の転換期」として位置付け、日本SGIは従来のテクノロジ重視の戦略から、ブロードバンドユビキタスを中心としたソリューションビジネスへの転換を図った。同氏は「ITバブルを見れば分かるように、同じことを続けていれば衰退していくのは明白だ」と語り、「米SGIのハードウェア中心の戦略から脱却し、ソリューションビジネス中心へ転換する。日本SGIはアップルにおけるiPodのように、米SGIの救世主になりたい」と抱負を述べた。
ユビキタスソリューションの実例としては、2004年に発表した映像が立体的に閲覧できる技術「裸眼立体視」や、地図情報を簡単に3D表示できる技術「GEO-Element」などを挙げ、「当社の高度な最先端技術を、民間レベル・ビジネスで利用できるように提供していきたい」(和泉氏)と述べた。例えば、マネキンロボットの「Posy」は現在ある技術を組み合わせて開発したものだが、発想の良さからその付加価値を理解したユーザーに好評を得ているとしており、「今後の展開としては、あまりお金をかけずに最先端技術を開発し、提供していきたい」(和泉氏)と語った。
また、現在同社が力を入れているLinux事業について和泉氏は、「現在、Linuxはビジネスにどんどん進出している。今後はベンダ色が強くなってしまったUNIXの二の舞にならないように展開していきたい」と語った。今後の戦略については、「ユビキタスソリューションビジネスは現在全体の十数%の売り上げだが、伸ばしていきたい。既存のハードウェア販売に付加価値を付けたコンサルティングサービスを主力にして展開していく」と説明した。
(@IT 大津心)
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