Weekly Top 10
お父さんのためのソフトウェア
2007/04/24
先週の@IT NewsInsightのアクセスランキングにはSaaS関係の記事が複数ランクインした。特に印象に残ったのは7位の「郵便局もSaaSの時代に突入」だった。大げさな言い方だが、時代は変りつつあるのではないか。
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大企業がSaaSに動き出した
「郵便局もSaaSの時代に突入」は米セールス・フォース・ドットコムのSaaS製品を日本郵政公社が採用し、10月に発足する郵便局株式会社が利用するというニュースを報じた記事。ユーザー数は5000人から開始し、順次拡大するという。これまで大企業や公官庁ではパッケージソフトウェアの採用はあっても、SaaSという選択肢はなかったのではないか。NTTデータがシステム構築するとはいえ、日本郵政公社は大決断したといえるだろう。
セールスフォース・ドットコムの代表取締役社長 宇陀栄次氏は、日本郵政公社の採用について「将来的にどのように組織が変化していくか未知数である部分が多いため、拡張性をとにかく重視していた。その結果、パッケージ製品ではなく、オンラインで柔軟に機能を拡張できる当社サービスを選択してくれた。また、全国2万5000事業所での利用を想定すると、パッチやアップグレードの心配がないオンデマンドサービスのメリットが大きかった」と説明した。まさしくSaaSの特徴を最大限に生かす利用法だ。日本郵政公社の採用をきっかけに、SaaSを選択肢とする大企業が多くなるのではないだろうか。
6位の「グーグルはマイクロソフトを殺さない」では米ガートナーのアナリストであるベン・プリング氏が、SaaSがパッケージソフトウェアを駆逐するとの一部の考えを否定した。多くの企業はすでに資産として膨大なパッケージソフトウェアを保有している。この資産を捨ててすぐにSaaSに移ることはないというのがプリング氏の見立てだ。
しかし、ここでキーになるのは世代。1ユーザーとしてSaaSに親しんできた若い世代の社員が、企業内でソフトウェアを選択できる立場になった場合にどうなるのか。プリング氏は「今後は面白いことになるだろう。Microsoft Officeが“お父さんのためのソフトウェア”になる可能性もある」と語る。
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