Weekly Top 10
マカロニグラタンとプログラミング
2008/01/21
先週の@ITのアクセスランキングはPCに関する記事が複数ランクインした。トップはWindows XPの販売を続けるようマイクロソフトに嘆願する運動が米国で始まったことを伝える記事。2位には米国ではLinux、国内ではそのWindows XPを搭載して販売する小型のサブノート「Eee PC」についての記事が入った。PCのOSはコンピュータを使う人が必ず触れるソフトウェア。ユーザーとの相性によって作業の生産性が変わってくるだけに動向はいつも注目を集める。
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個人的に気になったのは3位の「子どもたちがOSS活動、プログラミング言語『Scratch』が開く未来」の記述だ。プログラミングと文字の読み書き能力を重ねあわせ、「文字は、一部の特別な訓練を受けた人々だけが扱いうるものだった。グーテンベルクの活版印刷技術の発明から数えても約500年。先進国で読み書きが一般化したのは最近のことだ。文字にしろコンピュータにしろ、新しいテクノロジを使いこなすには数世代を要する」とアラン・ケイ博士の考えを伝えている。
唐突だが、ソフトウェア開発について考えるとき、私が思い浮かべるのは料理のことだ。料理は多くの基本作業の組み合わせで成り立っている。さまざまな食材が加工され、複雑な味わいに至る料理でも、作業を細かく分解すれば意外に簡単だ。おいしく、美しい料理を作る人は、全体像をイメージしながらその基本作業を失敗なく、確実に行える人だ。ソフトウェア開発で言えば、独創性を発揮しながら適切なコード、ライブラリをいかに美しく調和させるかということに通じるかもしれない。
ソフトウェア開発と同じように料理も後の工程になってから最初の工程を修正しようとすると大変なことになる。マカロニグラタンにチーズとパン粉を乗せてオーブンで焼こうとしている工程で、ホワイトソースが塩辛すぎることに気付くとやり直しは難しい。すべてを捨てて最初から作り直したほうがいいかもしれない。どの工程でも味見=テストが大事だ。
人々は多くのトライ&エラーを繰り返しながら料理を学ぶ。そして基本作業を自らのものにしてきた。料理を学ぶ課程がプログラミング学習と同じとはいえないが、ITの普及や進化の速度を見ているとソフトウェアを開発することが料理と同じように一般化する可能性も感じる。
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