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予想:Gdriveはどんなサービスになるか
2008/02/25
先週の@IT NewsInsightのアクセスランキングは第1位は「5GBの無料ストレージ 『Windows Live SkyDrive』を使ってみた」だった。マイクロソフトは2月22日、無料のオンラインストレージサービスを日本を含む世界38カ国で公開した。こうしたサービスは細かな制限やユーザーインターフェイスが使い勝手を左右する面が強いので、試用レポートが耳目を集めたようだ。
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もはや時間の問題だと思うが、一般的な個人ユーザーやビジネスパーソンにとって、ローカルPCのHDDやSSDといったストレージはキャッシュのような存在になっていくのだろう。すべてのデータをオンラインに保存して、加工や編集をSaaSやWebサービスを使ってダイレクトにオンラインで行うようになれば、ローカルPCへデータを持ってくる意味はなくなる。Gmailに保存したメールを、ローカルPCに持ってくる理由がないのと同様だ。
オンラインデータとローカルPCの垣根も低くなるだろう。記者は以前、WindowsやMac OS X、Linuxのローカルファイルシステムにマウントできるオンラインストレージサービス「Dropbox」を紹介したことがある(HDD以上に便利なオンラインストレージ“Dropbox”)。どのPCから見ても、同じフォルダが見えるという優れものだ。バックアップが不要であるどころか、差分情報によるバージョン管理もできる。
現在記者はプライベートベータ中の同サービスを試用しているが、Dropboxには、ちょっと不思議な感覚がある。例えばオンラインストレージに置いてある画像データを、ローカルアプリケーションであるグラフィックツールで直接開いて編集できるのだ。WebDAVなどを日常的に使っている人には当たり前のことかもしれないが、「オンラインストレージ」という語を聞くと、つい専用ツールやFTPといったプロトコルを連想しがちになっている記者にとっては新鮮な体験だ。
それは具体的には、こういう感じだ。まず、Dropbox上においた画像をURLで指定してWebブラウザで開く。続いてローカルのフォルダからその画像のアイコンをグラフィックツールにドラッグ&ドロップしてリサイズして保存する。そこでWebブラウザで画像データの再読込を行うと、当然、画像サイズが変更されていることが確認できる。さらにグラフィックツール上でリサイズをアンドゥして保存し、Webブラウザで再読込すると、再び画像は元のサイズになる。オンラインとローカルの境目がなくなったような感覚がある。
今後、オンラインデータの加工や編集はWebサービスで行うことになるだろうと書いたが、もしDropboxのようなローカルマウント型のオンラインストレージサービスが普及するとしたら、ローカルのアプリケーションを使ってオンラインデータを加工するという形態も、過渡期に一般化する可能性もありそうだ。
ところで、このDropboxという無名に近いベンチャー企業だが、記者はいずれグーグルかヤフー、あるいはEMCといった大手に買収されるのではないかと予想している。Dropboxは現在、ローカル上で動くクライアントとサーバを作っていて、実際のオンラインストレージにはAmazon S3を使っている。グーグルがオンラインストレージサービスに参入するとの噂は以前から絶えないが、もしグーグルがDropboxを買収してオンラインストレージサービス「Gdrive」を開始するとしたら、すぐにでも10GB程度のサービス、それもローカルフォルダにマウント可能なものを提供できるのではないかと想像するのだが、いかがだろうか。ただ、その場合、AdSense for Folderによって、どの程度ユーザーのフォルダに見慣れないファイルが現れることになるかが問題だし、コンテクストマッチングによって何が出てくるかを考えると、ぞっとするのだが。
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