Weekly Top 10

予想:Gdriveはどんなサービスになるか

2008/02/25

 先週の@IT NewsInsightのアクセスランキングは第1位は「5GBの無料ストレージ 『Windows Live SkyDrive』を使ってみた」だった。マイクロソフトは2月22日、無料のオンラインストレージサービスを日本を含む世界38カ国で公開した。こうしたサービスは細かな制限やユーザーインターフェイスが使い勝手を左右する面が強いので、試用レポートが耳目を集めたようだ。

NewsInsight Weekly Top 10
(2008年2月18日〜2月24日)
1位 5GBの無料ストレージ 「Windows Live SkyDrive」を使ってみた
2位 2007年問題、現場の3分1以上が「影響あり」と回答
3位 Firefoxダウンロードが5億件突破、5カ月で1億増える
4位 Googleはいつまでクールでいられるか
5位 ウィルコム、データ定額を3880円に大幅値下げ
6位 動画にもAdSense、グーグルがベータ版開始
7位 NEC、ワイヤレスUSB搭載のノートPCを発売
8位 au、家族への通話を24時間無料に 「家族割」「誰でも割」で
9位 MS、Vistaほか主要製品のAPI公開
10位 富士通のIT管理データベース統合は“標準化が命”

 もはや時間の問題だと思うが、一般的な個人ユーザーやビジネスパーソンにとって、ローカルPCのHDDやSSDといったストレージはキャッシュのような存在になっていくのだろう。すべてのデータをオンラインに保存して、加工や編集をSaaSやWebサービスを使ってダイレクトにオンラインで行うようになれば、ローカルPCへデータを持ってくる意味はなくなる。Gmailに保存したメールを、ローカルPCに持ってくる理由がないのと同様だ。

 オンラインデータとローカルPCの垣根も低くなるだろう。記者は以前、WindowsやMac OS X、Linuxのローカルファイルシステムにマウントできるオンラインストレージサービス「Dropbox」を紹介したことがある(HDD以上に便利なオンラインストレージ“Dropbox”)。どのPCから見ても、同じフォルダが見えるという優れものだ。バックアップが不要であるどころか、差分情報によるバージョン管理もできる。

 現在記者はプライベートベータ中の同サービスを試用しているが、Dropboxには、ちょっと不思議な感覚がある。例えばオンラインストレージに置いてある画像データを、ローカルアプリケーションであるグラフィックツールで直接開いて編集できるのだ。WebDAVなどを日常的に使っている人には当たり前のことかもしれないが、「オンラインストレージ」という語を聞くと、つい専用ツールやFTPといったプロトコルを連想しがちになっている記者にとっては新鮮な体験だ。

 それは具体的には、こういう感じだ。まず、Dropbox上においた画像をURLで指定してWebブラウザで開く。続いてローカルのフォルダからその画像のアイコンをグラフィックツールにドラッグ&ドロップしてリサイズして保存する。そこでWebブラウザで画像データの再読込を行うと、当然、画像サイズが変更されていることが確認できる。さらにグラフィックツール上でリサイズをアンドゥして保存し、Webブラウザで再読込すると、再び画像は元のサイズになる。オンラインとローカルの境目がなくなったような感覚がある。

 今後、オンラインデータの加工や編集はWebサービスで行うことになるだろうと書いたが、もしDropboxのようなローカルマウント型のオンラインストレージサービスが普及するとしたら、ローカルのアプリケーションを使ってオンラインデータを加工するという形態も、過渡期に一般化する可能性もありそうだ。

 ところで、このDropboxという無名に近いベンチャー企業だが、記者はいずれグーグルかヤフー、あるいはEMCといった大手に買収されるのではないかと予想している。Dropboxは現在、ローカル上で動くクライアントとサーバを作っていて、実際のオンラインストレージにはAmazon S3を使っている。グーグルがオンラインストレージサービスに参入するとの噂は以前から絶えないが、もしグーグルがDropboxを買収してオンラインストレージサービス「Gdrive」を開始するとしたら、すぐにでも10GB程度のサービス、それもローカルフォルダにマウント可能なものを提供できるのではないかと想像するのだが、いかがだろうか。ただ、その場合、AdSense for Folderによって、どの程度ユーザーのフォルダに見慣れないファイルが現れることになるかが問題だし、コンテクストマッチングによって何が出てくるかを考えると、ぞっとするのだが。

(@IT 西村賢)

情報をお寄せください:

アイティメディアの提供サービス

キャリアアップ


- PR -
ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

Xは? TikTokは? Metaは? トランプ氏勝利で笑うソーシャル、泣くソーシャル
4年ぶり2度目のトランプ政権が実現することで、主要ソーシャルメディア各社はどのような...

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2024年11月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

2024年のソーシャルメディアマーケティング市場は前年比113%の1兆2038億円
サイバー・バズはデジタルインファクトと共同で、2024年国内ソーシャルメディアマーケテ...