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@IT > SPSS事例探求 第1回 ソフマップ編(2) |
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ソフマップの一連のSPSS製品導入を担当したSPSSの多川真康氏に、同社の取り組みについて話をうかがった。
SPSS製品は、同社がデータウェアハウスを構築する以前から導入されており、「当時はデータがバラバラに存在していたため、まず分析可能なデータを探し出し、抽出する必要がありました」と、多川氏は導入当時を振り返った。
多川氏は、「ソフマップの場合、一般的な流れとは違っていましたが、すでにSPSS製品による分析経験があり、それだけ分析ニーズに合致したデータウェアハウスを構築することができたのではないでしょうか」と見ている。まさにデータとは蓄積するだけではなく、活用することに意義があるという点をこの事例は実証しているのではないだろうか。
さて、データマイニングツールの導入時には、さまざまなレコメンデーションソフトが検討されたが、多川氏は当時の状況について次のように語っている。
現在、“ソフマップ・ドットコム”では、“Clementine”で作成されたレコメンデーションロジックに基づき、顧客のニーズ・購買履歴に応じた最適な「お勧め」ができる仕組みが構築され、活用されている。
と、高度なツールでありながらバージョンアップごとに操作性が容易になってきている点を多川氏は補足する。
ソフマップが描こうとしている「デジタルライフスタイル」の実現には、購買データだけでなく、さまざまなアンケートを通じた、より多面的な顧客属性の収集が必要であるということがますます強く認識されてきたようだ。 多川氏は、
と、SPSS製品の1つを紹介してくれた。
実際に、“Data-Entry Enterprise Server”の画面(画面1)を見てみよう。この画面では、アンケート調査票の画面設計を行っているところを示している(画面上は英語だが、日本語にも対応している)。
アンケート実施において、調査票の設計は、質問項目の順番を工夫したり、答えやすい選択肢の配置を考える必要があるなど、非常に手間がかかる作業なのだが、“Data Entry”では、選択肢の数を増減させたり、各設問をパワーポイント上で図形を動かすような操作で自由に配置を変更することが可能だ。しかも、作成が完了した時点でそのままオンラインのアンケートフォームとしても利用できる。つまり、できあがった調査票に回答していけば、回答結果データとして自動的にファイルとして蓄積されるのである。 また、回答間の矛盾(例えば、A製品を「持っていない」と回答したのに、次の設問でA製品に「満足している」と回答してしまうようなケース)が生じないように、事前に“ルール・ウィザード”機能(画面2)で設問間の関係を定義しておく。そうすれば、矛盾した回答をした回答者にはアラートを出して、矛盾した回答を無効にするといった処理ができる。
ところで、ソフマップ白野氏は、データ分析結果を全社レベルへの具体施策へと展開するのは今後取り組んでゆくべき課題であると話してくれた。そうした課題への取り組みの1つとして、オンライン上でのさまざまなレポートの閲覧は、まだ本社内でのみ可能のようだが、
と多川氏は提案してくれた。 “SmartViewer Web Server”は、SPSSの各種分析ツールで作成されたレポートをブラウザで閲覧可能にする仕組み(画面3)を提供するものだが、対話型ピボットテーブルとOLAP機能により、分析結果をさらに深堀りしたり、分析軸を入れ替えたりといったことができる。
SmartViewer Web Serverの導入により、分析を担当するセクションだけでなく、分析レポートを利用する各部署のエンドユーザー自身がデータを自由に加工できるようになる。そうすれば、分析データを元に、自分自身で考えて問題解決策を生み出すようなマインドを全社員レベルで醸成することができるのではないだろうか。 ともあれ、ソフマップは、さまざまなチャネル、方法で獲得したデータをフルに活用することで、ソフマップの将来像たる、“デジタルライフアドバイザー”へ向けて着実に進んでいるようだ。そのゴールへと到達した暁には同時に、SPSSが説く、データの収集、統合、分析、配信というデータ分析環境の理想像も実現されているであろう。
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