ASP.NETでボタンのクリック時に確認メッセージを表示するには?.NET TIPS

» 2003年04月18日 05時00分 公開
[遠藤孝信デジタルアドバンテージ]
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連載目次

 Webアプリケーションにおいて、データの削除などの重要な処理をユーザーが実行する前に、クライアント・サイドでメッセージ・ボックスを表示して、本当にそれを実行してよいかを確認したい場合がある。

 既存のHTMLでは、ボタンがクリックされた場合に、処理を進めるかキャンセルするかを問い合わせる確認メッセージ・ボックスを、JavaScriptを使用して次のように記述することができた。

<!-- confirm.html -->
<html>
<body>
<form method="get" action="http://www.atmarkit.co.jp/fdotnet/">
  <input type="submit"
    value="Insider.NETへ"
    onclick="return confirm('本当に移動しますか?');"
  >
</form>
</body>
</html>

確認メッセージ・ボックスを表示するサンプルHTML(confirm.html)

 このconfirm.htmlにブラウザでアクセスし、表示される[Insider.NETへ]ボタンをクリックすると、次の画面のような確認のためのメッセージ・ボックスが表示される。これは、inputタグのonclick属性にJavaScriptのconfirm関数を呼び出すためのコードが記述されているためだ。

サンプルHTMLをブラウザで表示 サンプルHTMLをブラウザで表示
[Insider.NETへ]ボタンをクリックすると、確認メッセージ・ボックスが表示される。

 ここで[OK]ボタンをクリックすればページは遷移するが、[キャンセル]ボタンをクリックすれば、[Insider.NETへ]ボタンへのイベントはキャンセルされ、何の処理も起こらない。

 しかしこれと同様の記述をWebサーバ・コントロールの1つであるButtonコントロールに対して設定することはできない。そもそもButtonコントロールを記述するasp:ButtonタグのOnClick属性(“OnClick”の記述については、大文字/小文字は区別されない)は、ボタンがクリックされたときに呼び出されるイベント・ハンドラを指定するためのものだ。

Attributesプロパティによる属性の設定

 このため、Buttonコントロールでメッセージ・ボックスを表示するには、ASP.NETのページがレンダリングされて、最終的にサーバから送信されるHTML内のinputタグのonclick属性に、JavaScriptのスクリプトが挿入されるような仕組みが必要となる。これには、Buttonコントロールの実体であるButtonクラス(System.Web.UI.WebControls名前空間)のAttributesプロパティを使用する(正確にはAttributesプロパティはButtonクラスの親クラスであるWebControlクラスから継承している)。

 Attributesプロパティは、サーバ・コントロールの属性のコレクションであり、C#では次のようにして、値を追加設定することができる。

Button1.Attributes["onclick"] = "return confirm('本当に移動しますか?');";


 このAttributesプロパティ(AttributeCollectionクラス(System.Web.UI名前空間)のオブジェクト)には、インデクサにより属性名となるキーとその値のペアを、それぞれ文字列で追加することができる。ちなみに、Visual Basic .NETでは、この記述は次のようになる。

Button1.Attributes.Add("onclick","return confirm('本当に移動しますか?');")


 サンプル・プログラムとして、Visual Studio .NETを使用して冒頭のHTMLページと同等のASP.NETページを作成してみよう。

 まずVisual Studio .NETを起動し、新しいプロジェクトとしてC#のASP.NET Webアプリケーションを開く。次にフォーム上に、Buttonコントロールを配置する。

Buttonコントロールを配置したWebフォーム Buttonコントロールを配置したWebフォーム

 次に配置したボタンをダブルクリックし、Button1_Clickメソッドに次のコードを記述する。ここでは、Redirectメソッドによりページを移動させている(ページの移動に関しては、「プログラミングASP.NET:第16回 ASP.NETにおけるページの遷移」を参考にしていただきたい)。

private void Button1_Click(object sender, System.EventArgs e)
{
  Response.Redirect("http://www.atmarkit.co.jp/fdotnet/");
}

ボタンのClickイベント・ハンドラに追加するコード
このメソッドはボタンがクリックされると呼び出される。ここではInsider.NETへリダイレクトしている。

 そして、Button1_Clickメソッドのすぐ上にあるPage_Loadメソッドに、先ほどのonclick属性を設定するコードを記述する。

private void Page_Load(object sender, System.EventArgs e)
{
  // ページを初期化するユーザー コードをここに挿入します。
  Button1.Attributes["onclick"]
      = "return confirm('本当に移動しますか?');";
}

フォームのLoadイベント・ハンドラに追加するコード
Attributesプロパティにより、ボタンのonclick属性にJavaScriptのスクリプトを設定している。

 以上で完成だ。[F5]キーを押すなどしてアプリケーションを実行し、表示されるWebページのソース・コードを見れば、次のようなinputタグが生成されているはずだ。

<input type="submit" name="Button1" value="Button" id="Button1" onclick="return confirm('本当に移動しますか?');" style="Z-INDEX: 101; LEFT: 16px; POSITION: absolute; TOP: 16px" />

ASP.NETにより生成されたボタン表示のためのinputタグ

 onclick属性に指定したJavaScriptのスクリプトが挿入されているのが分かる。

カテゴリ:Webフォーム 処理対象:メッセージ・ボックス
使用ライブラリ:Buttonクラス(System.Web.UI.WebControls名前空間)
使用ライブラリ:AttributeCollectionクラス(System.Web.UI名前空間)


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