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プログラムの手軽なデバッグ方法の1つとして、プログラムの途中にメッセージを出力するメソッド(関数)呼び出しを埋め込むという方法はよく用いられる。
メッセージを出力する標準的なメソッドとしては、例えば、Windowsアプリケーションならメッセージ・ボックスを表示するMessageBox.Showメソッドや、コンソール(コマンド・プロンプト)に文字を出力するSystem.WriteLineメソッド、ASP.NETのWebアプリケーションであればResponse.Writeメソッドなどがある。しかし、これらのメソッドをデバッグ用途で使用した場合、製品のリリース時にはそれらを取り除くか、あらかじめデバッグ・メッセージが出力されないようにするための何らかの記述を追加しておかなければならない。
.NET Frameworkのクラス・ライブラリでは、デバッグ・メッセージ出力のためにDebugクラス(System.Diagnostics名前空間)が用意されている。このクラスには、指定した文字列を出力するためのWriteメソッドやWriteLineメソッド(改行コード付き出力)などが用意されているが、これらのメソッドの呼び出しはデバッグ時にのみ有効となるという点がこのクラスの特徴だ。
Visual Studio .NET(以降VS.NET)を使用している場合には、Debugビルド時にのみDebugクラスのメソッド呼び出しが有効となり、Releaseビルド時には、それらのメソッドの呼び出しはコンパイラによって自動的に取り除かれる。つまり、デバッグ・メッセージ出力のためのコードを残したまま、ビルドの種類を変更するだけで、デバッグ・メッセージ出力のオン/オフを切り替えることができるということだ。
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