DataGridViewコントロールで起動時にセルが選択されないようにするには?[2.0のみ、C#、VB].NET TIPS

» 2006年10月13日 05時00分 公開
[遠藤孝信デジタルアドバンテージ]

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連載目次

 DataGridViewコントロールでは、アプリケーションの実行開始時にデフォルトで左上隅(1行1列目)のセルが自動的に選択され、反転状態となる。

アプリケーション実行開始時のDataGridViewコントロール
デフォルトでは左上隅のセルが選択状態となっている。

 現在選択されている(正確には「フォーカスのある」)セルの設定/取得は、DataGridViewコントロールのCurrentCellプロパティにより行えるが、このプロパティにnull(VBではNothing)を代入することにより、いずれのセルも選択されていない状態にできる。

// 選択されているセルをなくす
dgv.CurrentCell = null;

' 選択されているセルをなくす
dgv.CurrentCell = Nothing

CurrentCellプロパティの設定(上:C#、下:VB)
変数dgvはDataGridViewコントロールのインスタンスを参照しているものとする。

 ただしこの設定(CurrentCellプロパティへのnull/Nothingの代入)は、フォームのLoadイベント・ハンドラで行っても効果がない(これはDataGridViewコントロールがまだ表示されていないためだと思われる。明示的に記述しない限り、Loadイベントのタイミングではフォームは表示されない)。

 いずれのセルも選択されていない状態でアプリケーションの実行を開始するには、Loadイベントではなく、フォームが表示された後に一度だけ発生するShownイベントのイベント・ハンドラで上記の設定を行えばよい(Shownイベントについては「TIPS:Windowsフォームの表示直後に初期化処理を行うには?」を参照)。以下にそのサンプル・プログラムを示す。

// dgvcurrent.cs

using System;
using System.Drawing;
using System.Drawing.Imaging;
using System.Windows.Forms;

public class MyForm : Form {

  DataGridView dgv;

  // フォームのShownイベント・ハンドラ
  void MyForm_Shown(object sender, EventArgs e) {
    // 選択されているセルをなくす
    dgv.CurrentCell = null;
  }

  // フォームのLoadイベント・ハンドラ
  void MyForm_Load(object sender, EventArgs e) {
    // データソースとして画像デコーダ一覧を使用
    dgv.DataSource = ImageCodecInfo.GetImageDecoders();
    // dgv.CurrentCell = null; // ここでは効果なし
  }

  // フォームのコンストラクタ
  public MyForm() {
    dgv = new DataGridView();
    dgv.Dock = DockStyle.Fill;
    this.Controls.Add(dgv);
    this.Size = new Size(480, 240);
    this.Load += new EventHandler(MyForm_Load);
    this.Shown += new EventHandler(MyForm_Shown);
  }
}

class Program {
  static void Main() {
    Application.Run(new MyForm());
  }
}

// コンパイル方法:csc dgvcurrent.cs

実行開始時にセルを選択しないC#のサンプル・プログラム(dgvcurrent.cs)
dgvcurrent.csのダウンロード

' dgvcurrent.vb

Imports System
Imports System.Drawing
Imports System.Drawing.Imaging
Imports System.Windows.Forms

Public Class MyForm
    Inherits Form

  Dim dgv As DataGridView

  ' フォームのShownイベント・ハンドラ
  Sub MyForm_Shown(sender As Object, e As EventArgs) Handles MyBase.Shown
    ' 選択されているセルをなくす
    dgv.CurrentCell = Nothing
  End Sub

  ' フォームのLoadイベント・ハンドラ
  Sub MyForm_Load(sender As Object, e As EventArgs) Handles MyBase.Load
    ' データソースとして画像デコーダ一覧を使用
    dgv.DataSource = ImageCodecInfo.GetImageDecoders()
    ' dgv.CurrentCell = Nothing ' ここでは効果なし
  End Sub

  ' フォームのコンストラクタ
  Public Sub New()
    dgv = New DataGridView()
    dgv.Dock = DockStyle.Fill
    Me.Controls.Add(dgv)
    Me.Size = new Size(480, 240)
  End Sub
End Class

' コンパイル方法:vbc /main:MyForm dgvcurrent.vb

実行開始時にセルを選択しないVBのサンプル・プログラム(dgvcurrent.vb)
dgvcurrent.vbのダウンロード

 ここではコードを簡便にするために、.NETで利用可能な画像のデコーダ一覧をデータソースとして使用している。画像のデコーダについては「TIPS:画像を読み込むには?」を参照してほしい。

利用可能バージョン:.NET Framework 2.0のみ
カテゴリ:Windowsフォーム 処理対象:DataGridViewコントロール
使用ライブラリ:DataGridViewコントロール
関連TIPS:Windowsフォームの表示直後に初期化処理を行うには?

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