BugTracker.NETで登録されたバグ情報は、プライオリティに応じて行が色分けされ(これも変更可能)、ログイン後に表示されるページに一覧表示されます。新規のバグ情報の登録は、同ページ左上にある「add new bug」をクリックします。
この一覧表示の内容は、あらかじめ用意されているSQLクエリを実行することで実現されているので、そのクエリを修正すれば自由に表示内容を変更できます(ページ上部にあるメニューの「queries」)。クエリの修正により、一覧表の見出し部分を日本語にすることも可能です。
また上述したようにカテゴリやステータスなどは管理ページから日本語に修正できますので、英文表示が残る部分としては、メニュー項目と入力フォームの一部くらいです。いうまでもありませんが、日本語の入力と表示は何も問題ありません。
このバグ情報一覧では、ログイン中のユーザーに割り当てられているバグのみを表示したり、アクティブなバグ情報のみを表示したりと、ドロップダウンリストからいろいろなクエリが選択できます。さらに独自のクエリを用意することで表示内容を自由に変更できます。
以上のように、BugTracker.NETを利用するとバグの発生状況を容易に一元管理できます。ただし、こういったバグトラッキング・ツールの使用においては、運用のためのルール作りとそのルールの順守が大前提になります。すべてのバグの報告が「プライオリティ=高」にされてしまうと担当者は困惑しますし、バグ発生の状況説明が詳細に記述されていないと、結局口頭でバグ情報のやり取りが行われてしまい、記録に残りません。最低限の運用ルールは用意しておいた方がよいでしょう。
BugTracker.NETの最大の特長は「軽い」ツールであるという点でしょう。どちらかというと掲示板のようなコミュニケーション・ツール的な側面も持っています。そのため開発終了後でも、ヘルプ・デスク的な利用やバージョン・アップ時のアイデアの共有などにも利用できます。また、担当者ごとのToDoリストにも使えるでしょう。「バグトラッキング・ツール」として扱うのはもちろん、開発プロジェクト・メンバー同士の情報共有ツールととらえて利用するのもよいのではないでしょうか。
また、手間を惜しまないのであれば、直接ソース・コードを修正してメニュー項目などを日本語に置換することももちろん可能です。どうやらコードビハインドを使わないのがこのツールの作者のポリシーのようで、zipファイルを展開したフォルダにある.aspxファイルを直接修正すれば、改変は簡単に行えます。ただしその場合には、バージョン・アップの際に発生する作業も考慮しておくべきでしょう。BugTracker.NETのバージョン・アップは比較的頻繁に行われているようです。
最後に注意点ですが、当然とは思いますが、BugTracker.NETは文字コードについて配慮されておらず、デフォルトのUTF-8になります。メール送信についてはUTF-8を意識する必要はそれほどないでしょうが、例えばバグ一覧をExcelファイルとしてエクスポートする場合(これは実際にはタブ区切りのテキストとしてダウンロードされるだけですが)にも、文字コードはUTF-8になりますので、Excelで開く前には、Shift-JISに変更しておく必要があります。
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